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台湾ひとり研究室:翻訳編「#31原稿を推敲する時に欠かせないツール。」

台湾書籍《大港的女兒》 の翻訳者が、日本版の刊行前後の進捗をリポートしていく有料マガジンです。公開から1週間は無料でお読みいただけます。今回は、編集者時代から手元に置いているツールをご紹介します。

突然ですが、質問です。次の文のどちらを読みやすく感じますか。

:吾輩は猫である。名前はまだ無い。
:わが輩はネコである。名前はまだない。

夏目漱石『吾輩は猫である』の冒頭でした。さあ、次はどうでしょう。

:貧乏、ということは、気位が高い人間のことだと思いこんでいたのは、父をみて育ったからだと、わたしは思っている。
:貧乏、ということは、気位が高い人間のことだと思い込んでいたのは、父を見て育ったからだと、私は思っている。

こちらは石牟礼道子『食べごしらえ おままごと』の同じく冒頭です。

漢字表記の目安

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2,695字

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勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15