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人の話を評価せずに聴くのって本当に難しい。

1on1でもキャリア面談でもなんでもそうだと思うのだが、相手の話を完全にピュアに、その人の話、その人の考えや想いとしてだけ聴くのは難しい。

どうしても自分の価値観とか評価軸に照らし合わせ、心の中で「賛成」「反対」「分かるわー」「分からん、なぜそんな風に思うの?」みたいな声がこだましてしまう。

コーチングの世界では、これを「レベル1の聴き方」というらしい。(ある団体のプロコーチ資格を持つ同僚から聴いたので、何かの流派では、なのかもしれない。コーチングのプロ資格、沢山の流派があるらしく。)

その「レベル1の聴き方」というのは、普段の会話での聴き方である。同僚と打ち合わせをしている時、家族会議をしている時、はたまた、友達とカフェでお茶している時など、どんな場面でも、人は相手の話を聴きながら、「自分ならどうする?」「自分はどう考える?」と常に、心の中で相手の発言内容を吟味している。だから、当意即妙に、間髪入れずに自分もその発言に返せるし、会話のキャッチボールが成り立つのだ。

しかし、1on1とかキャリア面談とか相手を主体としての会話をしようとすると、この普段の頭の動きが非常に邪魔になる。

相手の言葉を受け止め、その言葉の裏側にある思いとか言語化されていない何かを引き出すことというのは、およそ日常会話と異なるアプローチが必要なのだが、これが本当に難しい。

「今はレベル1の聴き方だな」などと自問自答するのには相当の訓練が必要。

産業カウンセラーとかキャリアコンサルタントとかの講習会に参加して、ロールプレイをするときがあるが、そういうプロ同士でも結構、評価的に、判断しながら聴いてしまうことがあって、講師から「ほらほら、ダメですよ」と指導されたりもする。そう、プロであっても難しい。

だから、管理職とかリーダーとか、いくつか研修を受けたくらいで完璧に相手の話を聴くなんて、これほどハードルの高いことを求められている役割もないと思う。

管理職とかリーダーは、それでもそれなりの研修を受けているので、いまさら講義などでノウハウを聴けば、「それは知っている」となりやすい。(頭ではわかっているよ、と思う)

だから、上司役よりも、部下など聴いてもらう側に回ることで学びが深まる

「ああ、全然わかってもらえない」という経験も「うわー、この人に話を聴いてもらったら、突然自分の頭が動き出した」という経験もできて、少しずつ「ああ、こういう聴き方がいいんだろうな」と気づくことがある。

ロールプレイで役割を入れ替えるのは、相手がいないとロールプレイを成り立たないからでももちろんあるが、もっと大事なことがあって、部下側、相談者側などを体感することで気づきが得られることの方が意義が大きい。

ということは、仮に管理職研修で、1on1の練習セッションなどがあった時、管理職役を担当する時だけでなく、部下役を担当する時もしっかりと心を動かして頭を働かせて、内省していくと、得るものは何倍にもなるということでもある。

今朝のVoicyは、1on1などで「つい判断しながら聴いちゃうよね」というお話とおすすめ本の紹介です。
(上述の話は、noteでの展開で、Voicyでは、違う話をしています)



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