映画「すばらしき世界」

この作品を表す時に、タイトル以上の言葉はないのではないかと思わされた映画「すばらしき世界」。殺人を犯した三上が、13年の刑期を終えて出所したあとの日々が描かれている。短気だが優しい一面もある三上。困っている人を見過ごせないような三上には社会は生きづらそうだった。三上が自分を抑えて悪意に迎合する時、私も胸が爆発しそうだった。これでいいのか?これが「自分を大切に」社会に順応することなのか?正直わからなかった。
終盤、三上に贈られたコスモスは心の目でのみ見られる大切なものを形として見せてくれたものなのだと思う。そして見えないコスモスは三上を気にかけ見守る人たちからも幾度となく贈られていて、三上はそれを心の目で見て受け取ることができる人だったんだと思う。だからコスモスと共にあった最期は悪いものではなかったのではないかと私は思いたい。最後のシーンにも見えないコスモスを見た。クソと悪態をつきたくなるようなこととコスモスは同じ世界に存在している。なんというすばらしき世界。

最後に。親子関係で悲しく寂しい思いをする子どもがどうか1人でも多く減りますようにと思う。そして苦しい思いをする子が居たらコスモスを渡せる大人でいたいと思う。渡してもらった子どもの1人としてもそう思う。

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