懐かしい愛おしさを連れて
夏のコンクールも終わり、部活を引退した。
朝練のために早い時間に登校する必要もなくなったけれど、変わらぬ時間に友人の家のインターホンを押している。変わったのは、毎日家に上がるようになったこと。
友人が髪を直したり身支度しているのを感じながらボーッとしたり、昨夜聴いたラジオの話をしたり、朝のニュース番組をふたりで観ながらぽつりぽつりとリアクションする。そうしてテレビが決まった時刻を映したら登校する。それが日課になった。
ある日、いつものようにふたりで朝のニュース番組を観ている時