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緑美しい入笠山と御射鹿池と白駒の池と
去年、ハイキングメンバーとすずらんを見に長野県入笠(にゅうかさ)湿原へ行ったとき、入笠山頂まで登らなかったのでいつか登ろうと思っていた。
今回、腰痛持ちの夫とどこか行こうという話になった際、あんまり登らずに山歩きできる場所として
「あ、入笠山にしよう!」
と思いつき計画を立てた。
入笠山付近に一泊すれば余裕を持って行動できる。次の日は八ヶ岳奥蓼科の御射鹿池(みしゃかいけ)と白駒(しらこま)の池と森散策をすることにした。我ながら良い計画ではないかと!
しかも私自身も近頃腰痛が出てしまい、緩めの山歩きがちょうどいい。
八ヶ岳を見渡せる入笠山へ
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入笠山はゴンドラで一気に1800m近くの標高まで上がれる。入笠湿原とお花畑を歩き、その先の山道を登ると山頂に着く。そこまで1時間ほど。
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紫色が緑に映える
あいにく雲が出ていて360度ぐるりと見渡せる八ヶ岳やアルプスの山々を望むことはできなかったが、標高1955mの山の上に立つのはとても気持ちがいい。
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雲が出ていて眺望は今ひとつ
お昼ご飯を山頂で食べて、その後、国内の高層湿原の分布では最南端に位置する大阿原湿原の展望台まで歩いた。ここまで足を延ばす人は少なく、静かな湿原の広がりを目にすることができた。
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一周すると40分くらいかかるので
展望デッキのあるところから眺めるにとどめた
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熊鈴つけてます
ゆっくり歩きながら下山する。途中のマナスル山荘でソフトクリームを食べたりとのんびりしつつ、15時半に下りのゴンドラに乗り、その日に宿泊する富士見高原八峯苑鹿の湯へ車で向かう。
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ここの温泉は
太平洋・フィリピン海・ユーラシア・北アメリカの四つのプレートがひしめき合い、現在世界の中で最もユニークな変動帯「フォッサ・マグナ」の中央部、八ヶ岳火山の古期岩体中で育まれてきた本格的裂罅(れっか)系天然温泉としての名湯である。
源泉は翡翠色のお湯だが、普段は薄い茶褐色。決まった時間に源泉を足し湯するときに翠色のお湯が注ぎ口から出てくるという。今回、タイミングが合わなくてそれにはお目にかかれなかったが、ぬるめのお湯が心地よく腰痛にもいいらしいのでゆっくり浸かった。温泉の後のビールは格別。美味しかった!夕飯時のドリンクバーに長野県産のフルーツジュースが数種類あって、桃のジュースがとっても美味しかった。
温泉宿らしく卓球台があったので卓球をしたかったのだが、疲れて寝てしまってできなかった。卓球したかったなぁ。
東山魁夷の緑響く御射鹿池へ
東山魁夷の「緑響く」という絵をご存知だろうか。カレンダーになっていたり、コマーシャルに使われていたりする絵で、おそらく一度は見たことがあるだろう有名な日本画だ。昔、実家にこの絵のポスターかカレンダーか分からないが、壁に貼ってあったのを記憶している。親も東山魁夷の絵が好きだったようだ。つい見入ってしまう、心惹かれる絵だ。
https://www.higashiyama-kaii.or.jp/緑響く/
その絵のモチーフとなっている場所が茅野市奥蓼科にある御射鹿池。ここに是非とも行ってみたいと思っていた。
この日は風もなく少し霧が出るくらいの曇天。しかしその気象条件が良かったのか、ご覧の通りの美しい池を見ることができた。鏡のような水面を見ていると吸い寄せられてしまうような感覚に陥る。ここはため池百選に選ばれた農業用ため池であり、立ち入ることはできない。柵越しに池を眺めるだけなのだが、それでも十分魅力的な場所だ。観光地として有名なので大型バスも乗り入れられるような駐車場とトイレがある。今回はそこまで人も多くなく、ゆっくりと池を眺めていることができた。来て良かったなぁと思った。
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ここから白駒の池へ移動する。Googleマップで検索すると一度戻って大回りするように指示される。山の中の道案内は車のナビはあまり当てにならないのでGoogleマップ頼り。でもGoogleマップで見ると近道がある。御射鹿池が湯みち街道沿いにあるのだが、そこから白駒の池があるメルヘン街道に抜ける道だ。ちゃんと舗装されている道路のようだし、戻るより近道だしここは行ってみようということになった。こういう時は夫がいると心強い。しかしいざ進んでみると、かなり道路が凸凹していて運転しづらそう。道幅も狭い。まぁ登山口を目指す場合はもっとひどい未舗装の道もあるのだろうが、ここはちゃんと舗装された道路でそこまで山道ではないのに、結構な悪路だった。アスファルトが植物に持ち上げられてしまっているのかめくれてたり、割れていたり、私が運転していたら涙目になっていただろう。すれ違った対向車は一台のみ。でも対向車が来たということは進めるということ。すれ違いは少々面倒だが、変に安心した。
ひとまず近道できて、白駒の池近くの駐車場へ到着。
白駒の池と苔むすもののけの森へ
白駒の池は、苔むす森で囲まれた池を一周できる遊歩道が整備されている。ここそこから八ヶ岳の山へ登れる登山口が拡がっていて、登ってみたいなぁ。今回は池を一周散策。雨が降ってきたが、森の中は木々が雨を遮ってくれるので、そこまで濡れない。苔が水気を吸って生き生き輝いていた。一周約40分くらい。写真を撮ったり景色を見ながらゆっくり歩いて1時間くらいだろうか。雰囲気の良い森で、感じのいい山小屋もあったりして、もうちょっとゆっくりしていっても良かったかも。雨が降っていたのと帰りの高速渋滞がどのくらいかかるかを考えてしまい、早めに切り上げた。
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おわりに
体調に合わせて夫とゆったりとした山歩きができてとても楽しかった。が、やはり、もうちょっと登りたい!という気持ちが出てきてしまうのも正直なところ。今回八ヶ岳方面へ向かったことで、今、登りたい山として八ヶ岳に注目している。
特に爆裂火口と八ヶ岳の山並みが見られる硫黄岳には是非とも登ってみたい。そこへのアテンドは息子にお願いするかなぁ。時期は空気が澄んでくる秋の方がいいのか、どうしようかとあれこれ考えるのも楽しい。まずは自分の腰の調子を良くすること。
「山は逃げない」
でも自身の体力気力が年々衰えていくのを感じてるので、のんびりと構えてもいられない。行けるうちに行っておきたい、焦る気持ちもある。揺れ動く50代折り返し過ぎた私、がんばれ!人生これから!(笑)楽しんでいかなきゃ!鼓舞する。
だってまだまだ見たい絶景を見に行くんだから。
最後までお読みくださりありがとうございました。