遠いところを見つめて
先日、ゆうきさんがTwitterで開いていた、午後の静かなスペースを仕事をしながら聴いていた。心地よい音楽と、ひとりのときの澄んだ声と、ときどき猫のにゃーという鳴き声、ページをめくる音。
自分もカタカタとPCに向かいながら、同じ空間にいるような居心地のよさを感じていた。
そのときに、さよちゃんっぽいのを見つけたんだよと言って読んでくれた安田茜さんの短歌がとてもよく、しかもゆうきさんの声がすきなのでなおさらによく感じられて、仕事をしながらつい手をとめてほわあと聴き入ってしまったのだった。
「泣きたくて瑪瑙のような空の下ゆびわをゆるめたりはずしたり」
とてもうれしかったな。めのう、すきなんだよ。めのうのような空って口にしてみるだけで情景が浮かぶ。美しくて重い空。
そんな風にして、誰かの暮らしのなかで自分が時折思い出されているのも嬉しい。
おすすめしてもらった歌集にもすこしずつ触れていきたい。とりあえず安田茜さんの『結晶質』はすぐさま手に入れた。興奮のままに他のSNSでもつぶやいたけど、すごくすきです。
安田茜さんの眼差しは、遠いところを見つめている。その遠くて美しい世界は果てなく広がり、静かに内側へ返ってくる。結晶石のように儚くて強い。勇気が湧いてくる。
すきなのいっぱいあるけど、これらもすき。
「あなたごときに汚されるわけない夜の月を割るならきっぱり縦に」
「歌わない鳥といっしょにいた日々を紙片のように教えてあげない」