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空想お散歩紀行 続バベル

再び、人は神へと挑みました。
遥か古代、人は神の高みへ至ろうと、高い、それは高い塔を建てたのです。
しかしそれは神の怒りを買い、塔は崩されました。
そして、人々はそれまで一つの言葉で意思疎通をしていましたが、互いに違う言葉を使うように変えられてしまったために、世界各地へと散らばっていきました。
しかし、それでも人々が滅ぶようなことはありませんでした。言葉の壁を乗り越え、再び社会は発展していったのです。
それには長い長い年月が掛かりました。そのためか、人々はかつての愚かな過ちについて忘れてしまったようです。
彼らは再び、神へと挑戦状を叩きつけました。
今度は、簡単には崩れない塔を、絶対に天へと昇る塔を作り出そうとしたのです。
神は嘆きました。人間の治ることの無い悪癖に。
そして考えました。これは一度やり直した方がいいと。
再び、塔は脆くも崩れ去りました。
しかし今度は人々の言葉をバラバラにするようなことはしなかったのです。
その代わり、別のものをバラバラにしました。
「あれ?なんかすげー魚が可愛く見えてきたんだけど」
「ああ、この大きな木、なんて力強く、たくましいのかしら」
「何言ってんだお前ら、この鉄の板、この質感、色、肌ざわりこそ至高だろう」
神は人々の性癖をバラバラにし、決して同じ人間に性的関心が向かないようにしたのです。
こうして、性的嗜好が人間以外になった人々は子孫を残すことはなく、緩やかに滅亡への道を歩き出しました。
しかし人々は、自分の好きなものへとその愛を捧げているため、その道中は幸せそうな顔をしていました。

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https://note.com/tale_laboratory/m/mc460187eedb5

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