空想お散歩紀行 クリスマス後の修羅場
クリスマスが終わると一気に新年へと心は向かう。今年一年を振り返り、良いことも嫌なことも全て今年に置いていくために。
・・・とそれが普通の人たちの話。
でも私は違う。クリスマスが終わっても、私の戦いは終わらない。いや、ここが本番かもしれない。
12月25日と、26日は私にとって一番忙しい日だ。
サンタの仕事は子供たちへプレゼントを届けること。
ただし、ただ届ければいいというわけではない。
今年も朝から電話は鳴りっぱなし、メールは着信しっぱなしだ。
内容はどれも同じ。
届いたプレゼントが崩れていたとか、一部破損していたとかの苦情だ。
一年に一度の子供たちの一大イベントだから、その気分を害された怒りは凄まじい。
誰が悪いのか。壊れやすいオモチャを作った部門か?オモチャを梱包した部門か?配る時に注意が足らなかったサンタか?
正直どれでもいい。実際に苦情を受けるのはここの窓口なのだから。
世界中を一晩で回ってプレゼントを配るわけだから、トラブルが起きないわけがない。
分かっているとは言え、毎年この時期は気が重くなる。
ただ、大吹雪のごとく降り注いでくる苦情メールの中に、稀にサンタへのお礼のメールが何通か届く。
それを見るのが、ほんの小さな癒しだったりする。
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