空想お散歩紀行 年が明けたら
もうすぐ年が明ける。
多くの人々は今年を振り返ったり、来年を思ったりして静かに過ごしている時期だが、
中には今が一年で一番熱くなっている者たちもいた。
年が明ければ、人々は動き出す。
新しい年の願いをそれぞれの胸に抱いて。
向かう先は神々がいる神社。
そう、神々にとって一年のうちで一番信仰を集めることができる時と言って過言ではない。
そして、それはこの世界の神々に限らない。
異世界との交流が当たり前になった現代。行き来できる世界が無数に広がったことは、信仰の対象も無限に広がったことを意味する。
人々の意識が神々に向かいやすい新年を狙って、他の世界の神々がアピールに来るわけだ。要は営業みたいなものである。
だから毎年新年には、各世界の出張神社や出張神殿などが各地に雨後のタケノコのごとく立ち並ぶのだ。
比較的元々の世界と近い人型の神を祭っているところもあれば、もはや何を形どっているのかすら分からない神もいる。
ご利益も様々だ。単純に学業、商売、恋愛、健康などざっくりしたものではなく、それこそ探せば、今の自分にぴったり必要な神様がどこかには必ずいる。
というわけで年が明ける2、3日前は、どこにお参りに行こうか、人々は情報を集めて新年に備えている。
その他の物語
https://note.com/tale_laboratory/m/mc460187eedb5
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?