マガジンのカバー画像

空想お散歩紀行 物語の道

1,152
空想の世界の日常を自由に描いています。
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

空想お散歩紀行 魔法の裏側

空想お散歩紀行 魔法の裏側

「エリア448で大規模魔法申請!」
「現在光属性魔法経路に遅延発生してます!」
「召喚魔法のドラゴンのアサイン遅いよ!どうなってんの!?」
人間の魔法使いは、簡単に魔法を使えると思っている。火の魔法を使えば火が、水の魔法を使えば水が、当たり前のように出てくると思っている。
しかし、実際はそうではない。
魔法はこの世界のあらゆるところに存在すると言われる精霊の力を借りることで顕現する。
だが、精霊の

もっとみる
空想お散歩紀行 BuzzりWitch

空想お散歩紀行 BuzzりWitch

真夏の激辛ラーメン、真冬のアイスクリーム。
「つまり、そういうことなのよ」
「全然分からないにゃ」
お世辞にも日当たりがいいとは言えない、小さな事務所の、まだマシな一角で黒髪の少女はぼやいた。しかしその言葉を黒猫はただ聞くだけで、目線を寄こしもしない。たんたんと器用にパソコンのキーボードを叩いている。
「だから、普段は目にも留めないくせに、ほんの気まぐれで手ぇ出したら、たまにはいいもんだね、こうい

もっとみる
オンライン・ワークショップ「テイル・ラボラトリー」

オンライン・ワークショップ「テイル・ラボラトリー」

バーチャル・ファシリテーターのクロクです。

バーチャル・ファシリテーターが案内する、オンライン・ワークショップ。

自由に好き勝手に、自分の心を空想の世界に遊ばせる。正しいも間違いもない。ただただ、今、この瞬間に心を解放して楽しむための場所です。

詳細は以下から。

空想お散歩紀行 愛を探して

空想お散歩紀行 愛を探して

*このお話は、2020/12/14に行われた、オンライン・ワークショップ「テイル・ラボラトリー」にて参加者の方が創ったキャラクターを元に、テイル・ラボ所長がストーリーをつけてみたものです。

江戸から遠く離れた土地であろうと時間は平等である。日が沈み、辺りが闇に沈む中、そこは逆に浮かび上がるように灯がともり、小さな宿場町と言えど昼よりも人々の往来は激しい。宿の他に飲み屋も賭場もここにはあるからだ。

もっとみる
空想お散歩紀行 正義の心

空想お散歩紀行 正義の心

「タイミングが悪かったかな・・・」
やっとこさ見つけた酒場の入口をくぐった後、思わず声が漏れた。
ちょうど日が落ちた時刻。酒場は冒険者と思われる者から、地元の者と思われる者、性別も種族も様々でここが一つの世界のような様相だ。
どこか空いている席はないかと周りを見渡してみるがなかなか見つからない。もう諦めようかと思った時、ふと店の隅が目に入った。
少し暗がりになっていて気づきにくかったが、一つの小さ

もっとみる