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オーダーメイドで支え合う

 小学校4年生の授業を見させてもらった際に、雑談を観察していると、男子児童は「くつの下にうんちついた~」「うわっ、クセ―、きたねー」や、「俺が一番面白い!」といって変な踊りをし始めたりしていましたが、女子児童は「あの子かっこいいよね」「あの人好き!」「○○かわいいよね」というような会話をしていて、いつまでたっても男はしょうもないことではしゃぐ、単純な生き物だと再確認してしまった、コミュニケーションが苦手なカウンセラーのタカタです。

 みなさんは知能検査というものを知っていますか?知能と聞くと、IQのこと?東大生はIQ200の人がいるよね~、とか想像すると思います。我々心理屋さんの仕事の中に、心理アセスメントというものがあります。それは、その人の状態を把握し、より良い支援を行うための見立てのことを言います。そのなかで情報収集の一つとして観察や各種心理検査を行っております。

 今回はWISCという知能検査のワークショップに参加した際に感じたことを共有させてもらおうと思います。これはあくまで私が感じたことです。

 発達障害などのワードが世の中に普及してきた昨今、個性という認識が受け入れられてきたように思います。集団に合う人たちが多数派で、合わない人が少数派で、少数派の方が生きにくい社会だったのではないかと想像します(現在もそんなに変わらないかもしれませんが)。

 発達障害というワードが普及してくれたおかげで、個性と意味付け、個性を尊重される世の中、支援が回るようになってきたと思います。一方で、”あの子は対人関係が苦手だから自閉症だ”、”あの子は授業中、離席が多いからADHDだ”という風に、安易に症状を当てはめて、個性だからという風にされているのではないでしょうか。

 加えて、最近の研究結果により、自閉症は○○で支援するとよい、ADHDは◇◇で対応するとよい、という風に、対応方法が確立されてきているように思います。これも世の中に普及され、発達障害とされている方が生きやすい世の中になっていると思います。

 しかし、世の中に支援法が普及されてきたことで、単一的な方法をアドバイスとして与えている事があると思います。たとえば、自閉症の方は、耳で聞くことが苦手で視覚優位だから指示するときは目で見える形で支援すると良い、同時処理が苦手だから手順を整理して与えた方が良い、など。これはとても危険だと思っています。視覚優位だから図やイラストで示すことにしたとしても、その子がとてもコトバが得意で、空間認知が不得意の場合、図にするとかえってわかりずらいことがあるかもしれません。

 ワークショップに参加して再確認したこととして、障害と特徴は別物であるということです。

 我々、心理屋さんはお医者さんではないので、診断はできません。心理屋さんではない、支援者やママパパさん、周囲の方も、その人、その子の特徴しか見えません。しかし、それがすべてだと思います。障害という診断名は、その子が考えている事、得意なこと、不得意なことを反映しているわけではありません。その子の日常の行動を観察し、得意なことはなにか、不得意なことは何かを把握して、その人、その子に合った支援をすることが重要だと思います。

 日常の観察って何かというと、例えば、宿題をしているときにマス目からはみ出すような文字を書いているとか、普段はおとなしいのに雑談をしているときにアチコチと話題が飛んでしまうとか、一対一なら楽しそうに勉強しているのに一斉授業では離席が多いとか。

 ADHD?ASD?・・・いや、その子の特徴。
 困っていることは何かな?・・・すこし観察してみよう。

 単一的な支援のアドバイスはとても危険で、その子にあった、オーダーメイドの話をしなければいけないと再確認させてもらいました。

自戒を込めて・・・

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