「いま宿題やろうと思ったのに!!」
GIGAスクール構想により学校のICT化が進む中で、学校の先生よりも子どもの方がタブレットの扱いに慣れていて、私たち大人の旧石器時代のような考えを柔軟に対応しないといけないと焦っているコミュニケーションが苦手なカウンセラーのタカタです。堂々と子どもに教えてもらおうと思います!
今回は、「いまやろうと思ったのに!!」を考えてみようと思います。
1.やろうと思ったのに!!
みなさんも一回はあるのではないでしょうか。
大人 :「いつまでゲームやっているの?宿題やったの?」
子ども:「いまやろうとおもったのに!!」(修羅場・・・)
ゲームばかりやっていて、いっこうに宿題をやりません。それをみて”イライラ”して、声を掛けたら修羅場。
子どもだけではなく、大人でもこういったことはあると思います。これって、ただのわがままなのでしょうか?反抗的態度?思春期だから?
今回は、このメカニズムを考えていきたいと思います。
2.心理的リアクタンス
人は本来「自分のことは自分で決めたい」という欲求を持っています。自分の身の回りのことや進む道は自分で判断したいと思っています。
しかし他人から禁止されたり、行動を強要されると、自分で判断する自由が制限されてしまい、強くストレスを抱えます。このストレスにより、自分で決めたい欲求が強くなり、反発してしまうのです。
この現象のことを「心理的リアクタンス」と言います。少し専門家風に難しくいうと、個人が特定の自由を侵害されたときに喚起される、自由回復を志向した動機的状態のことです。
宿題の例を見ると、子どもは宿題をやろうと思っていたのか、やろうと思っていなかったのか分かりませんが、宿題をするという自由を他人から強要されることにより、選択の自由を遮られ、かえって反抗的な態度に結び付いてしまったのではないでしょうか。
では、反抗的な反応をどうやって回避すればよいでしょうか。
3.自由を受け入れる
心理的リアクタンスの効果を回避する方法として、一番は”対話”です。
①心理的リアクタンス理論を理解する
②反発する気持ちを受容する
③対話により”選択の自由”を一緒に考える
心理的リアクタンスは、自由を制限されたときにおこる心理作用ですので、まずそういった作用が生じるということを理解して、説得側が冷静になることが第一歩です。
次に、反発したい気持ち、自由に選択したい気持ちを受容します。”あなたの気持ちは○○だよね”という風に気持ちを繰り返すこと、自由を遮ったことを受容しましょう。
最後に対話により、一緒に”選択の自由”について考えましょう。宿題であれば、時間や場所などを話し合い、子ども自身に決めさせる、選択させることで、心理的リアクタンスを軽減できるのではないでしょうか。
今回考えてみたことは、机上の空論かもしれません。しかし、自由に選択したい本能をうまく利用してあげることで、修羅場の場面を減らすことが出来る上に、選択する力を高め、自己肯定感の向上に役に立つのではないでしょうか。
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