駅の先の、騒がしい世界の、小さな少女
私は真っ白なホームの上に降り立った。
満員電車だったせいで、冬なのにコートが汗で濡れている。
きっと隣にいたあの太ったサラリーマンの汗だ。
私はちょっと匂いを嗅いでみて、気持ち悪くなったから、カバンの中から消臭剤を取り出して自分に吹きかけた。
その様子を横目で見ながら通り過ぎる、痩せた白髪混じりのサラリーマンが目についた。
そもそも私は人が嫌いだ。
今やっている受付の仕事だって、無理して愛想笑いを作りながらやっている。
おかげで仕事が終わった頃には毎回、顔の筋肉が引きつって