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議論は対面が吉

 オンラインでのやり取りが日常化している中、特にチャットは手軽で迅速な連絡手段として広く利用されるように。けれども、重要な議論を行う際には、やはり対面での対話が欠かせない。今回はその理由について解説していこう。

 重要な議論を対面で行うべき一つ目の理由は、オンラインでは誤解が生じやすいから。チャットでは表情や声のトーンといった非言語的な情報が欠けていて、相手の意図や感情を正確に把握することが難しく。その結果、誤解が生じ、エスカレートして対立に発展することも少なくない。

 例えば、「どうして市場価値の低いミカンで勝負を?(笑)」という文面をチャットで送ると、送った本人は冗談のつもりでも、受け取った相手には煽り発言として受け取られ、衝突が起きる可能性もある。

 重要な議論を対面で行うべき二つ目の理由は、オンラインでは発言が切り取られ、誤解が広がる可能性があるから。チャットでのやり取りは、スクリーンショットなどで簡単に保存され、一部の文脈だけが切り取られて共有されることがある。結果として、意図しない誤解や偏った情報が拡散され、トラブルの原因になることも少なくない。

 例えば、「柑橘類に対して高い付加価値を付ける技術があるのに、どうして市場価値の低いミカンで勝負を?」という文が、「どうして市場価値の低いミカンで勝負を?」という部分だけが切り取られると、ミカンを大切に思う人々との対立を引き起こしてしまう。

 重要な議論を対面で行うべき三つ目の理由は、チャットでの議論は、グループ全体の雰囲気を悪化させから。オンラインでの言い争いは、そのグループに参加している全てのメンバーに不穏な空気をもたらし、発言を躊躇させる原因に。これが続くと、チーム全体のモチベーションが下がるだけでなく、プロジェクトの進行にも悪影響を及ぼすことも少なくない。

 例えば、「付加価値の低いミカンで勝負すべきか否か」という論争が始まると、他のメンバーは重要なタスクや情報共有、また相談をためらうようになり、最終的にはメッセージを読むことからも離れ、チームから距離を置くことさえも引き起こしてしまう。

 確かにチャットは便利なツールだけれども、非言語情報の不足からの誤解、偏った発言の切り取りからのトラブル、グループ全体の雰囲気を停滞させるリスクを持っているもの。だからこそ、大切な議論ほど、対面でしっかりと話し合い、チームと共にアイデアをカタチにしていこう。

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