見出し画像

相反するチームの仲間

 チームでアイデアに挑むことの価値は様々あるものの、その中の一つに「人は相反する性質や感情を同時に持つことができない」という人の限界を補い合う価値も含まれているので、今回はそれを簡単に紐解いていこう。

 一人では同時に持つことが難しい相反するものの一つ目は、主観と客観。自分のアイデアに強い情熱を抱くとき、その価値を冷静に評価することはどうしても困難になりがち。けれども、チームメンバーが客観的な視点を提供してくれることで、見過ごしていた欠点や改善点が浮き彫りになっていく。

 例えば、ミカン酢を作ろうと一人が意気込んだとする。故郷のミカンを使うことに夢中になり、「ミカンを全面に押し出そう!」という考えに固執してしまうことがきっとある。けれども、他のメンバーが「市場のニーズは美容や健康。ミカンを使っていることはオマケ程度に留め、機能性を前面に押し出すべき」とアドバイスをくれることで、新たな視点が加わり、改善が進んでいくように。

 一人では同時に持つことが難しい相反するものの二つ目は、情熱と冷静。情熱はアイデアをカタチにする大きな原動力となるものの、同時にリスクを見落とす原因にも。一方、冷静さはリスク管理に貢献するものの、慎重になりすぎて前進を妨げる原因にも。だからこそ、これらのバランスを取るにはチームが欠かせない。

 例えば、ミカン酢を急いで全国展開しようと情熱を燃やすメンバーがいたとする。けれども、拡大路線のリスクを指摘する冷静なメンバーが「まずは地元でブランドを確立してから横展開するべき」と提案し、議論が重ねられることに。結果として無理のない戦略が立てられ、着実な成長への道筋が生まれていくように。

 一人では同時に持つことが難しい相反するものの三つ目は、絶望と希望。アイデアが困難に直面したとき、あるメンバーは絶望的な気持ちになってしまうかもしれない。けれども別のメンバーが「ピンチはチャンス!」と逆境を逆手に取った前向きなアイデアを出し、チーム全体が一丸となるきっかけに繋がることも。

 例えば、ミカン酢が糖分が強く一般的なお酢に健康面で負けてしまい、さらに単価が高いため、スーパーのtoCで勝ち目がないと絶望したメンバーがいたとする。そんな時、別のメンバーから「酢もちとか、酢チーズケーキとか、toBの製菓材料の可能性を探ろう!」と提案が届き、希望からチームが持ち直すように。

 人は相反するものを同時に持つのが難しいもの。だからこそ、それを補い合うチームが欠かせない。主観と客観。冷静と情熱。絶望と希望。これらが組み合わさるからこそ、自分たちは見たことも聞いたこともない未来へと辿り着ける。さぁ、今日も明日も仲間と共に、No Talk, all Action!!!

いいなと思ったら応援しよう!