<一般講座> 服装と肩関節の負担
1.今回の10秒まとめ
①服装の種類や着こなし、サイズ感によって肩関節の負担は異なる。
②スーツの着こなしが悪い場合は肩甲骨を押さえつけてられたり、筋肉が圧迫されることで肩関節の動きが制限され、負担がかかりやすくなる。
③オフショルダーやロングワンピースなどは肩甲骨に対して上から圧迫が強まったり、限定的であることによる、肩甲骨の動きを制限してしてしまうため、肩関節に負担がかかりやすい。
④サイズ感が悪かったり、窮屈さを感じる場合は服装を見直すことが大切。
2.「スーツの着こなし」と肩関節の負担
最近はストレッチスーツなどがあり、動きを制限してしまう事は少なくなりましたが、ストレッチが効いていないようなスーツの場合はそれを着ているだけで窮屈となり、肩への負担が増してしまう場合があるため、選択には注意が必要です。
スーツの着こなしとして注意すべきは「サイズが小さい」、「シャツインをしっかりしてしまう」、「パンツの位置が高めでベルトをしている」、「ベルトの締め付けが強い」など、4点となります。
サイズが小さい場合は、肩巾詰め(真ん中から肩口までの距離)が本来の位置より内側が来ることで、肩が本来の中心軸で動きにくくなることで肩のインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが失われて、肩関節に負担がかかりやすくなります。
次にシャツインをしっかりしてしまう場合に関しては、シャツインしていることにより、万歳などの動きを行う場合にシャツによって肩甲骨や肩の上にある僧帽筋が圧迫されてしまい、動きが制限されてしまうため、肩の負担が大きくなりやすくなります。
ベルトに関してはパンツの位置が高めで、かつ締め付けが強い場合はその圧迫によって肩から背中に広がって付着する広背筋などが圧迫されることで手を上に伸ばすような広背筋を伸ばす動きが制限されてしまい、肩関節の負担が大きくなります。
そのためスーツを着ることが多いビジネスマンの方はスーツの着こなしに注意することをオススメします。またスーツでなくても普段の着こなしでも同じことが言えますので、注意してみてください。
3.「服装選び」と肩関節の負担
女性の場合は服の種類によっても負担のかかり方が異なってきます。
下記の写真にあるようなオフショルダーの服や首回りが広い服の場合は肩の端に服がかかることにより、なで肩になりやすく、なで肩によって負担がかかりやすいとされる僧帽筋が発達しやすくなると考えられます。それにより肩凝りになりやすかったり、なで肩になることで肩甲骨の動きが悪くなり、肩関節に負担が大きくなりやすい傾向があります。
また上記のようなロングワンピースの服装を着ている場合も服の重みが肩に集中する形となり、肩甲骨の動きが制限され、肩の負担が増すと考えられます。特に座った状態ではお尻の部分で服が固定されるため、万歳がしにくくなるため、注意が必要かと思います。
4.まとめ
今回、服装と肩関節の負担の関係についてまとめてみました。服を着ていて動きの悪さを感じる場合は服の着こなしによって肩関節に負担が生じているかと思います。肩に違和感を覚える人などはぜひ服装によって負担をかけていないか一度、見直しもらえるとよいかと思います。今回、挙げた例以外にも服装がもたらす影響は他にも多くありますので、注意してみてください。また時間がある時に他への影響もまとめますので、お待ちいただければと思います。読んでいただき、ありがとうございました。