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朝ドラへのあくなき道

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NHK朝ドラの脚本執筆への道。会社員兼物書きとしての、日々の活動をまとめるマガジンです。
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バズ中毒

バズ中毒

TikTok用のショートドラマの脚本を細々とやっている。完全に業務委託として仕事をもらっているので、そのドラマに僕のクレジットは出ない。というかSNSプラットフォームにおけるショートドラマって、誰が監督とか脚本とか役者をしてるかなんて誰も気にしない。短いから気にしてる暇がないのだ。逆に言えば、有名どころを起用すればバズるというわけではない。

僕が書いているのはとあるシャンプーのPRアカウントに投

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局のシナリオコンクール

局のシナリオコンクール

テレビ局主催のシナリオコンクールに出す作品は、どうせならその局に絡めた話を書きたいなと思っている。目下のところ構想を練っているのは、11月締め切りの「日テレ シナリオライターコンテスト」である。昨年が第一回だった当コンクールだが、僕は「2005年に放送が終了した『火サス』への未練から仲が悪くなってしまった母と息子」を主人公に書いた(1次は通過した)。フジテレビのヤングシナリオ大賞なら、ヤクルトスワ

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情熱シミュレーション

情熱シミュレーション

もし、万が一、脚本家として売れてしまったときに考えなければならないのは、情熱大陸での振る舞い方だろう。僕は基本的にリスク分散の生き方なので、仮に脚本で飯が食えるようになったとしても会社勤めは続けると思う。兼業作家の一日、すなわち今現在のルーティンが密着される。そうなると大変だ。見直さなければならいない要素ばかりである。

7:30 起床→7:41家を出る→7:45 バスに乗る
もうこの時点でアウト

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主人公の作り方

主人公の作り方

「韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち」という本が先月刊行されたので、早速読んでいる。正直、これまで完走できた韓国ドラマは数えるくらいしかないが、ドラマ大国として韓流ドラマが世界ナンバーワンだということは知っている。一度日本のテレビ局が韓国へ渡り、ドラマ制作会社大手スタジオドラゴンを取材していた。そこで露わになったのは、激しい社内競争、細分化されたチーム、脚本家をはじめとする無数の下請けた

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他のだれよりも

他のだれよりも

これは今日中に書かないといけない気がするので急いで筆を執っている。少々雑な表現や、昨今の多様性への配慮を欠いた点などがあれば申し訳ございません。先に謝っておきます。

実はいま一時帰国をしており、日本にいる。3月5日に入国し、明日3月21日にオーストラリアへ戻る。一番の目的は高校の友人の結婚式であった。今回もスピーチをしたのだが、ウケた。はっきり言ってむっちゃウケた。前にいたおじさまたちの盛り上げ

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WDRシナリオ「チェリーパッキング」

WDRシナリオ「チェリーパッキング」

WDRというNHKさん主催のシナリオコンクールにて落選した作品です。
「続きが気になる、海外でも通用するドラマの冒頭部分」というのが与えられた命題でした。
すぐに読めますので、感想等あればコメントにてお伝えください。

○ラブホテル・部屋・中(夜)
   下着や服が散乱した部屋。
   ベットで横になっている美森明日香(23)。
   服を着ずにベット横で電話をしている高橋倫太郎(27)。
高橋「

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完璧なネーミング

完璧なネーミング

さりとて、「フジテレビヤングシナリオ大賞」に向けた執筆が続いている。2日後の3月31日が締め切りなので、さすがに規定の60枚は既にクリアしており、残りの日数で細かい直しをしていくという感じだ。タイトルは「物語る人」にした。本当は「物語る人たち」にしたかったのだが、同名のカナダ映画が既存していたのでそれは回避。

結果発表は秋。良い知らせがあるといいな。

脚本執筆をしていて痛感するのが「ネーミング

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脚本執筆は命がけ

脚本執筆は命がけ

久しぶりにシナリオの話をしよう。

プロフィール欄にもあるように、僕が最終的に行き着くべき場所はNHKの朝ドラだと思っている。noteを始めて5年になるが、NHKの悪口や、「NHKをぶっこわーす!」でお馴染みの立花孝志氏を支持するようなことを一切書いてこなかったのはそのためだ。まあ、実際思ってないし。NHK最高!受信料は将来の俺のギャラ!

朝ドラを書くためにはまずはデビューしなければならない。デ

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母乳が出る父親の話

母乳が出る父親の話

いつからだろう。3年くらい前から「母乳が出る父親の話」を書きたいという構想が頭の中にある。これをなかなか着手できていないのは僕の惰性的な、ダセえ生活が原因であることは明白だ。こうしてnoteに書いてしまったからには早く書かねばならぬ。さもなければこの原案は誰かに盗られてしまい、地位も名誉も金も誰かのものになってしまうのは時間の問題だ。

今のところ考えているプロットは、

ある新婚夫婦に待望の第一

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カカシ

今日は久しぶりに物語の話をしたい。
どうせこんな駄文誰も読んじゃいない。現時点では、ここはただのマスターベーションで、吐き出す場所でしかなく、友達のうちのあいつとあいつとあいつの3人くらいに届けばいいやというスタンスだ。

さて、ここ半年くらい充実すぎる日々を送っている。が、確実に涙が増えてしまった。充実と引き換えに辛さというものをあまりに多くの人に渡されすぎた。

金を貸していた信頼のおける友人

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Vol.25 終わらないものがたり

以前から言っている舞台のホンですが、できたできた、やったーと思っていた矢先、

半分以上が書き直しになりました。稽古がストップし、僕のホンの書き上がりを待っているというどこかで聞いたことのある状態に陥っています。本当は仕事をしている場合でもなければ、「逃げ恥」でシクシク泣いている場合でもございません。増してや、ラブホテルに入ろうとする男女の足取りを追っている場合でもありません。

書かなければいけ

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Vol.24 親になるということ

Vol.24 親になるということ

仕事から帰る時間、特に遅い時だと22時になることがあります。もうそんな日は、飯食べて、風呂入って、寝ることしか頭にないわけで、他のことをする気力がありません。

でもよくよく考えてみると高校の時も帰宅時間は大体これぐらいでした。そこから飯食べて、外で素振りして、勉強して、きっちりオナニーしてから寝て、また朝から20キロ離れた学校にチャリで行ってましたからね。

とんでもない高校球児がいたものだ。根

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Vol.23 むちゃくちゃ聞いてくる

先日職場のKさんに、
「松本くんはシナリオライターを目指してたんか?」
と突如として言われました。おそらく面接の時にそんな話をしたので、社長か誰かから聞いたのでしょう。
「はい!というか今も目指してます!今度舞台もしますよ!」
「へえー。どういう題材なん?」
お、珍しい。Kさんはあまり饒舌なタイプではなく、どちらかといえばシャイで、どっしりと構えるタイプなのですがこの時ばかりは僕に食いついてきます

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Vol.22 舞台が動きだす。

昨日書いたようにスカイプにて来年公開の舞台の会議をしました。自分で書いといて言うのも変ですが、本当にするんだ……という感じです。自分の好きなように考えた話を、役者さんが演じ、お金を取って誰かが観に来る。しかもそれを指揮し、主役も張るのが僕の幼馴染。はっきり言って意味が分からない。

それにしても、役者をやっている方からの意見というのは貴重ですね。どんどん脆いところを見破って突いてきます。やはり演じ

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