白石文匠
「essai」の原義は「試み」であり、「試論(試みの論文)」という意味を経て文学ジャンルとなった。筆者の体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想・思索・思想をまとめた散文である。似てはいるが本物ではない、見せ掛けだけの、の意を表す。
後で読ませてもらいます。
毎日更新はできないけれど、1日の振り返り。 散文的という言葉は「味気なく、情趣が薄い」という意味で使われることもある。
はてなから引越した駄文です。稚拙で恥ずかしいので、後ほど消す可能性があります。キツめな奴はケツの穴みせるみたいなもんなので課金してください。
力試し
「泳ぎ方を忘れてしまったの」 季節はまだプールには少し早い、6月の曇った日だった。 「水泳と自転車の乗り方は忘れないって言うけれど」 と僕は彼女の言葉の裏になにかを感じながらも一般論として返事をした。 「ううん、そういうことじゃないの」と彼女の目は伏し目がちにそう言っているようだった。比喩としての水泳。 「毎日毎日、泳いでいるみたい。週に5日は潜って、2日は息継ぎ。もう疲れちゃた」と本当にプール授業が終わったあとの女の子みたいに彼女はそう言った。 「そもそも潜りすぎだし、呼吸
久しぶりに日記を書く。 久しぶりなのは疫病が流行ってるからなのかもしれないし、今読んでいる江國香織の「やわらかなレタス」というエッセイの影響かもしれないし、一番最近のアルバムでもYUKIが素敵だからかもしれない。あるいは単純に面倒くさかったからかもしれない。 結局のところ人が何かを行動を起こすときに理由なんてよくわからなくて、色々なものが重なって行動するものなのかなとか思う。 最近のことと言っても4月から始めた仕事に慣れてきたくらいしか特に語ることもないな。
「こうやって飲むのが好きなんだ〜」と、三分の一くらい飲んだアイスコーヒーに、ガムシロップ一個とミルク二個を入れて彼は言った。ご機嫌だ。 私はストローに口をつけながら、彼を横目で見て無言で頷く。 「ブラックも好きだけど途中で飽きちゃうから最後に甘くするんだ~」 「一度で2度美味しい!」と私の方を一瞥もせずに続ける。 「最初に混ぜちゃうと後戻りできなくなるからね」としたり顔だ。 私は、ブラックコーヒーが、好きだ。 味なんてそのままでいい。そのままがいい。ガムシロップなんて、
最近はコロナの勢いと同じぐらいに仕事が忙しい。昨日も退勤は23時半。終電に飛び乗ってコンビニで食べたくもない飯を買い、帰ってとりあえず体に入れる。シャワーに入り、歯を磨く。 着替えると上司からの連絡、まだ仕事してるのか?そんなに仕事が溜まっているのか? 懇切丁寧に残業の理由を説明して、自分の正当性を訴える。残業代が欲しいわけではない。残業が多いのはそちらが組み立てたワークフレームのせいでは?本当に下らない。 YouTubeでしょうもない配信者の動画を見ながら寝落ちかける。危な
札幌より東京の方が寒いなんて思っていたけどそんなの嘘だった。 「札幌の寒さは冷蔵庫で、東京の寒さは冷凍庫に扇風機だね」 そんな北千住のつみきで聞いた軽口を思い出しては何故だか暖かくなる。 札幌でも東京でも誰かといるのは温かい。 そんなことを体だけでも温めたくて一人おでんを食べながら考える自分の時間。
人生で二番目くらいに好きな女に振られた翌日の昼、俺はバスに乗っている。まだ足は動く。 引き出し式の椅子が4席ほど出るくらいにはほぼ満席。前には4歳くらいの男の子が静かにちょこんと座っている。この子は将来イケメンになって欲しいなぁ、イケメンは得だからな。 とか思ってるとひたすら前の席のお母さんに干し芋を要求している。ギャップがすごい。 後ろにはJKだかJCだかのパッとしない女の子。 何か臭うと思ったらシーチキンの缶とフランスパンを持っている。自家製ツナサンド。強い。 ここま
昨日の電話のせいで寝不足。 でも不思議と後悔してない。 ハイライトとモンスターエナジーの新味で、 なんとか日常を回す。気持ちを晴らす。 出勤して上司からの指令をこなす。 ネットサーフィンする。はてなの記事を移す。 眠い。すごく眠い。意識を失いそうになる。 昼はいつもの喫茶。金曜はナポリタンがお得。 最近ハマってる高校野球の漫画で英気を養う。 午後は資料を作って、見積もり作って。 時たま就職活動に精を出す。つまらん。 このままでいいのか、いやよくないって反語。 仕事帰
ワニが死のうが、炭治郎が死のうが 俺の人生にはあまり関係がない。 なんならコロナウィルスだって、 世間的にはダメージが大きいけれど、 俺の周りには発症者がいないし、 あまり現実味がないんだ。 そんな中、志村けんが亡くなったのは、 何故だかちょっと面食らったんだよな。 小学生から「バカ殿」が放送になると、 食い入るように見ていた。 ちょっとエッチなシーンで、 お茶の間が凍っても表情を消して見ていた。 中学になって、「特命係長
久しぶりにミスタードーナツに行った。 いいことあるぞ、ミスタードーナツ。 いいことって何のことかよくわからないけど。 ミスタードーナツがすごく好きだった。 ドーナツのなかでは、特にゴールデンチョコレートが好きだ。 あの頃、ドーナツの空いてしまった穴には、 夢やらなにやらが詰まっていると信じていた。 さらにあの輝かしい金色にも見える魔法の粉、まさに麻薬。 いいことあるぞ、ミスタードーナツ。 どの辺がミスターなのかいまだにわからないけれど。 ミスタードーナツはドーナツだけ
八畳くらいのリビングに大きなテーブルが占拠し、 その上に大きな鍋がひとつ、昆布を揺らしながら静かに旨味を溶かしている。 居なれた祖母の家、大量の肉、母、妹、祖母。 今日はどうやらしゃぶしゃぶらしい。 鍋の前で妹と久々に口喧嘩をする。 彼女は常に上から目線で(目線が高いのは、学が高いからだろうか) 初めは一方的に詰ってきた、気がする。 普段は大人しい僕も、思わず反論する。 そんな時は母はいつも曖昧に笑う。 僕が疲れて、トイレにたったときまで、 妹の猛攻は続く、それに言い返す。
思えば選択の少ない人生だった気がする。 旭川で生まれ、親の転勤で道内を転々とし、 小学校から中学校までは札幌でぼけーっと生きて、勉強も好きじゃなかったので、入れる高校に入り、限りなくグレーに近い薄い水色の青春を、 色なんか無いみたいに過ごした。 唯一方向性だけ選んだのは大学。 基本的にやりたいこと全部やって ウェイだけしてたそんな気がする。 そんな風に生きてきたから ふわふわとどっち付かずに、 今のところはグレーゾーン。 なんていって生きてきたんだけれど。 社会人にな
学生と社会人の違いは何かと聞かれたとき、 「社会に何らかの価値を与えているかどうか」 とか今なら答える。気がする。 社会人二年目も半ばに入り、 やっと出向先でも一年がたった。 当たり前なんだろうが、これまでより、 周りからの要求レベルがあがっていく。 なぁなぁな学生のコミュニケーションではなく。 毎日全速力でハードルを飛んでる気分。 小さいのから大きいのからくぐるのまで。 息継ぎできるのは週末だけ。 それが社会、資本主義とか思う。 それはそれでしょうがないと思う。 嫌
会社からかえってスーパーのセールに行ったところからの記憶がない。 サムギョプサルが異常に食いたくて豚肉とレタスを買う。カルパッチョが食べたくてカツオを買う。最近は効果で食材を買う。ビタミンB2は疲労に効くんだってよ。歳を感じる。 そのあと友人と銭湯にいく。ここまで書いて思ったけど精神年齢が35歳。なんでやねん。 やっぱり銭湯は良い。むしろ水風呂が良い。 水風呂に入りに行ってるみたいなとこある。 友人を草野球に誘う。そうなのだ来週から草野球を始めるのだ。いよいよおっさん。 3
白黒つけるのが嫌いだ。 はっきりしたがる人が苦手だ。 絶対なんてない。 世の中にそんなにはっきりできる物事は多くないんじゃないか。 だからすべての発言の語尾に(今のところは)と付けたくなる。 一度言葉にしたことを、他人はいつまでも覚えていて。 「あの時ああやって言ってたじゃん、あれは嘘なの?」 とか平気で5年前の発言を蒸し返してきたりする。 そういう人に限ってすぐに手のひらを反したり、 ゴマばかりすっていたりする。(ような気がするし、僕のことかも
った。 宮崎あおいが。 もちろん所謂マジ恋とか、ドルオタとかの 本気の愛情とか、そういうんじゃないけど。 作品も一通りみたけどあんまり覚えてない。 ソラニンが一番好きだ。あと少年メリケンサックもよく見た。純愛系のは忘れた。 ただ単純に宮崎あおいっていう「概念」が 雰囲気が好きだったんだと思う。 好きになった理由も単純で、友達に 「オマエの彼女宮崎あおいに似てね?」 って言われたのをきっかけに好きになった。 それも中学生の頃、
タイトルは瀬尾まいこから。 大学の時に授業で扱った記憶があって、 東京の古本屋で見つけたとき、 思わず買ってしまった本の一つだ。 わりと心理的にグロテスクな内容を、 瀬尾まいこの柔らかい文章で包み込んでる。 オススメですよ。 そんなこととは関係なく最近食欲がない。 5月病なのか初夏バテなのか分からんけど。 やよい軒にきてもご飯二杯しか喰えない。 危険だ。前は三杯いけたのに。 かといっていまさら自炊再開もなぁ。 誰かに作るとかなら頑張れ