自分の運命を受け入れると道が開ける(毎日更新122日目)
加藤諦三さんの著書『自分のうけいれ方』の後半の読書感想文です。
すべて読み終わりましたが、この本は最初から最後まで一貫して訴えていることがありました。
それは
自分の過去から現在までの運命を肯定し受け入れることで新しい人生が始まる
ということです。
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人生がいつまでもいつまでも苦しい人は、自分の運命に抵抗しつづけているんです。
運命に抵抗しつづけているというのはわかりやすくいうと、自分の過去や現状を否定しているということ。
「あんな過去は認めない」「あれはあいつが悪いんだ」「いまのオレは本当のオレじゃない」「なんでオレばっかりがこんな目にあうんだ」「あんなことがなければオレの人生はぜんぜん違っていたのに」「この病気のせいでオレは不幸なんだ」「あの時ひどいことをされたから」「あの家に生まれていたら自分だって」、、、、、
などなど、いろんな心の中のセリフが考えられると思います。
これらのセリフはすべて後悔とか否定ですよね。
こういった考え方が私達の人生をずっと暗闇に押し込めている原因なんだというわけなんです。
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たとえばぼくは小さいころから喘息やアトピーに苦しんできたのですが、そんな悩みがない他人を見ては、いつも
「うらやましいなあ」「夜もぐっすり眠れるんだろうね」「なんで自分ばっかりこんな苦しい思いをしなきゃいけないの」「うちの親が悪いんだ、不健康な生活をしていたから子供のぼくがこんなになっちゃったんだ」「こんなハンデがないんだもん、そりゃあ幸せだよね」「ぼくの辛さなんて誰もわからない」
こんなふうに感じて自分の中に渦巻く思いはどんどん強くなり他人を恨むところまでエスカレートしていきます。
自分の境遇を呪い、不公平な人生を恨み、他人に嫉妬する。
これが地獄に生きるという人生です。
そんな真っ黒いものを自分の奥深くにかかえていては人間関係がうまくいくわけがないのです。
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現実の自分から出発する
でも、どんなに過去の自分や現在の自分を否定してみても逃げられないですよね。
自分だけが知っている、生まれてからいままでずっと見てきた自分自身の歴史、それがまぎれもない自分の人生なんです。
こうなる運命だったんです。
それを辛いけど、悲しいけど、くやしいけど、しっかり見つめて受け入れるんです。
新しく人生を始めるために、受け入れるんです。
この先に幸せが必ずあるから、そこへ行くために自分の運命を心の底から受け入れる覚悟をするんです。
さっきの喘息やアトピーの例でいえば、「なんで自分ばっかり」と嘆くのをやめて、そうかこんなふうに生まれたのが自分なんだ と受け入れて
そうすると初めて次に進めるんです。
受け入れることで初めて、じゃあどうしよう? どうしたら良くなるかな?
どうしたら気にならなく成るかな? と対策がとれるようになるんですね。
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人生の不公平さを受け入れる
小さいころから愛されて育って、たいした苦労もなく友達や恋人もでき、自己肯定感も高いから普通に努力もできてしっかりした収入も得ることができる。
人に悩みを相談したりすると、みんな一緒だよ そう見えないだけでみんな苦労してきてるんだよ と、さも見てきたかのように諭す人がいるけれど
加藤諦三さんは一緒じゃないといいます。
ぼくもそう思います。
愛されないで育った人、家庭内が不和で機能不全家族で育った人、十分な愛情を受けることができず子供みたいな母親に育てられ、
そんな人達は地獄のような苦しみの中を生きてきたんだと
だからそうではない人達、つまり心理的に健康に成長してきた人との苦労のレベルがもう天と地の差があるんだといいます。
ちいさいころから大きな不安やストレスにさらされて生きてきたのです。
普通の家庭に育った人にはその苦しさを想像することなんてできないと思います。
どれだけ心細かったか、どれだけ孤独だったか、どれだけ不安だったか
そんなことがわからない人、想像できない人は
あいつは弱いとか臆病だとかカンタンに言っちゃいますが、その人がもし同じ環境で育っていたなら同じ心理状態になっているんです。
でも、そんな地獄をくぐり抜けてきたからこそ、本当はすごく強くてエネルギーがあるのだから自信をもっていいというわけなんです。
人生はどうしたって不公平で、これが事実であり真実。
でもこの不公平さが悪いことばかりではない。
なぜなら
「不運とか失敗、その時に自分が何者かを知ることができるから」
この時に自分は人とは違うんだ、これが自分の運命であり生きる道なんだということに気づけるんです。
そこから自分らしく生きていける。
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まとめ
本書は全編にわたって
自分の運命を受け入れることの大事さを説いています。
自分の過去も認める
今の自分も認める
これが自分の人生なんだと勇気をもって受け入れる
そこからすべてが開けてくるという話でした。
加藤諦三さんが熱く熱く語っていて、大きな愛情が伝わってくるようでした。
地獄を経験してきたぼくらは、実はとても強い
自信もって、現実の生身の自分から出発していきましょう
というわけで今日はこのへんで
またあした。