『痛みが消えていく身体の使い方』(伊藤和磨, 2022)
腰が痛いです。
昨年末コロナに罹患し、5日ほどほぼ寝たきりの生活が続きました。
それ以来、立ち上がったり、歩いたりすると腰が痛みます。
子供の頃から野球やサッカーといったスポーツに慣れ親しみ、人並み以上には筋トレに励んできた身として、腰が痛いと感じたことはありませんでした。
むしろ腰が痛いという人に対して、「姿勢が悪いんだろうな」「筋トレしたらいいのに」と思っていました。
今や自分自身がその立場になり、「なぜ痛いんだ」と原因のわからない痛みを嘆いています。
本書は、教養ではなく、実用的な知識を求めて手に取りました。
その中で、個人的に日常生活で大切にしたいと思ったキーワードをいくつか紹介します。
スウェイバック
「骨盤が上半身よりも前方にスライド」している状態です。
他の言い方をすると、「背中が丸まって顔が前に突き出た姿勢」です。
腹圧が低く、下っ腹が出てしまう人に多い気がします。
かかと・母指球・小指球の3点で地面をしっかり捉えて、その重心の上に胸骨と頭がある状態を作るとスウェイバックしなくて済みます。
ヒップヒンジ
「股関節で身体を折り畳む」動作のことです。
筋トレをしたことがある人はスクワットを想像するといいと思います。
足と膝の関係を崩さないよう、目線を前に向けたまま上半身を倒しつつお尻を真後ろに突き出すようにすることで、膝がつま先より前にいかないよう股関節から体を畳むことでき、ハムストリングや臀部に効かせることができます。
このヒンジが腰痛の予防には大切です。
椅子に座るときも、お尻の穴が前方向気味ではなく、後ろ方向気味になるように骨盤を立てることで、腰に負担がかかりづらくなります。
そのほか、ストレッチや呼吸法など、日常生活で意識できることが動画とともに体系的に整理されています。
腰痛にお悩みの方はぜひ手に取ってみてください。