【統計学をめぐる散歩道】ビジネスじゃない視点から見る統計学入門
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
〜統計学の純粋な面白さを〜
本書はいわゆる「統計学の入門書」である。しかし、著者は本書を「統計学の案内書」と表現しており、「統計学ってこういうものですよ」という内容の一冊である。数式なんかも飾り程度に出てくるだけで、「統計学って何やってるんだ?」に答える一冊である。
現在進行形で統計学を勉強中の人にとっては、「今さら入門書か…」と思うかもしれないが、働き出してから統計学を学んだ人なら、一度読んでみる価値はあると思う。というのも、ビジネスマン向けの統計学入門書では、統計学を使う場面の例として、売上、顧客数、店舗数、など実例に直結するような要素が取り上げられている。それに対して、高校生以前の子どもを対象にした本書は、統計学を使う例として、選挙、成績、気象予報、保険、地震予測、などなど、生活の中にあるものをあげている。つまりは、統計学がどれだけ身近に使われているか、を説明してくれるのだ。
ビジネスで使うため、ではなく、純粋な統計学の面白さを知るにはなかなか良い一冊だと感じた。