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【Think clearly(シンク クリアリー)】コントロールすべきは自分自身の思考
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
この本で紹介されるのは、人生を良いものにするための「思考の道具箱」。
最初はピンとこなかった"道具箱"という表現だったが、一通り読み終わることで、この表現が非常にしっくりきた。
思考法、とも違う。52章にわたる思考を良い方向に向けるためのアイデア集、とも表現出来る。
自分の考え方が不安な方向へ流れていきそうなときに、この本に書かれている事を思い出す事で、不安の渦に巻き込まれる事を防ぐ事が出来るかもしれない。
〜良い人生、とは?〜
この本の終わりに書かれている事、
「良い人生とはどういうものかは言い表せないが、どういうものではないということは言い表せる」
つまりは、人生を良くない方向に進む事を止める事が出来れば、自ずと良い人生になる、という事を著者は言いたいのだ。
この本に書かれている52の思考の道具は、まさに余計な不安や悩み事を考えなくて済むツールなのだ。
もっといえば、人は考えなくていい事を考えて悩んでしまう面がある、とも言える。
自分の悩みや不安を冷静になって俯瞰で見る事で、考えなくていい事、考えても仕方ない事として捉えられるかが、良い人生を歩むための一歩なのだろう。
〜重要なのは自分自身をコントロールする事〜
内容をざっと見ると、いかにも流行りの自己啓発本のようにも思える。
自己啓発本のタイトルでよく見かけたり、目にする言葉に「他人の評価を気にするな」とか「自分の信じた道を行け」といった言葉があるけど、僕はそういった言葉が大嫌いだ。
自分に自信のない人や勇気がもてない人にとっては救いの言葉だけど、悪意のある人がこの言葉を鵜呑みにして「他人の評価を気にするな」とか「自分の信じた道を行け」といった言葉を「自分勝手に行動してもいい」と都合のいい解釈をする。そして、僕の身近に、そう解釈して自分本位の横柄な態度や行動で周りに迷惑をかけている人が実際にいる。
自分の成長や地位の向上、良い人生を得るために他人をコントロールするような内容には賛同できない。ましてや、自分のために他人を傷つけたり足蹴にして良いとは決して思わない。
そして、そんな軽い内容の自己啓発本であるならば、僕も途中で読むのをやめている。
本書は、大きく分ければ自己啓発本の一種なのだけど、あくまで良い人生を歩むためにコントロールすべきは自分自身だ、というところに注力しているところに非常に好感をもてた。
〜考える必要のない事を考えない〜
先に書いたように、この本は考えなくていいことは考えなくていい、悩む必要のないことは悩まなくていい、というのが大筋の主張だ。
たしかに、考えすぎることで不要な不安を持ってしまい、自分の人生は豊かではないと錯覚してしまう事がなによりも無駄な思考なのだろう。
Think clairy とは、うまく言ったタイトルだと思う。
良い人生を歩むために、考え事をスッキリとクリアにする。そのためには不要な思考は徹底的に排除する事が重要だ。
悩みや不安が多いな、と思う人にオススメしたい。良い人生への道がクリアになるかもしれない。