
【うろんな客】不気味なんだけどなんか可愛い
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆
〜エドワード・ゴーリー3冊目〜
「ギャシュリークラムのちびっ子たち」、「おぞましい2人」に続く、怖い大人向け絵本作家、エドワード・ゴーリー3冊目である。
この「うろんな客」もゴーリーの代表作の一つとされている。
ちなみに、「うろん」という言葉の意味がよくわからなかったので調べてみると、こんな感じである。
胡乱(うろん)
1. 正体の怪しく疑わしいこと。また、そのさま。
2. 確かでないこと。真実かどうか疑わしいこと。また、そのさま。
3. 乱雑であること。また、そのさま。
まあ、現代だと「怪しい」とか「胡散臭い」という意味で使われることがほとんどだそうだ。
〜なんだか可愛く見えてしまう"客"〜
さて、この「うろんな客」先に読んだ2冊に比べて直接的な残酷さや怖さは少なく、比較的ライトな作品である。
あらすじは、表紙に載っているアリクイのような生き物がある家族の家にいきなり現れて、邪魔になるところに寝転がったり、物を壊したり隠してしまったりとなかなか迷惑なことばかりして、家族が困惑する、というお話。
不穏な空気が一層強くなるオチも素晴らしい。
不気味な話といえばそうなのだが、この"客"の見た目がなんだか憎めないキャラクターなので、なんともコミカルで可愛らしくすら見える。
意外と子どもに見せられない事はないかもしれない(が、そんなことなくなくないかもしれない…(笑))。
実は、先の2冊を買った時にこの「うろんな客」のカードが入っていて、これも実に可愛らしいので大切にとっている。
〜"客"の正体は?〜
さて、「この"客"の正体は一体何なのか?」これがこの作品を語る上での一番の楽しみなのであるが、僕が購入した本のあとがきには、少し答えに触れるようなことが書いてあったので、ちょっと残念だった。
しかし、この憎めない可愛らしいキャラクターを楽しむだけでも十分な一冊である。