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【僕にはわからない】僕に多大な影響を与えた作家
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆
〜中島らも、という作家〜
僕が母に教えてもらった作家は2人いる。
1人はこのnoteでも何作か書評を書いている内田樹さん(「大人のいない国」「サル化する世界」)。そして、もう1人が中島らもさんである。
中島らもさんのエッセイはとにかく面白いの一言に尽きる。
内容はオカルトだったり、大麻だったり、アルコール依存だったりと、なかなかアウトローな内容がほとんどなのだが、そんなテーマをギャグのように書く。
当時中学生だった僕はそんなエッセイの数々を、刺激的な気持ちで貪るように読んでいた。らもさん自身も「それってそんなに悪いことか?」というような感覚で書くので、本当に頭が麻痺してしまっていたと思う。
教師をやっていた生真面目な母がなぜ中島らもさんを薦めたのか未だに謎なのだが、中島らもさんのエッセイは良い意味でも悪い意味でも僕の人生や感性に多大な影響を与えたのは間違いない。
〜中島らもさんの中でも知的なエッセイ〜
中島らもさんのエッセイは割とギャグ的なものが多いのだが、本書は割と真面目で知的な内容である(それでも、普通のエッセイと比べればふざけた内容ではあるが笑)。
超能力や恐怖、フロイトや麻薬など、テーマは相変わらずらもさんらしいのだが、タイトルの「僕にはわからない」からもわかる通り、疑問に思った事をらもさんなりに考えているのである。
らもさんが今でもファンが多く、「天才」「奇才」と呼ばれ続けているのは、この好奇心があるからなのだろう。
「学問の発見」にも書かれていた事だが、人は好奇心を無くしたときに学ぶ事をやめてしまう。学ぶ事をやめた人間は、創造という至極の幸福を得ることが出来なくなる。
らもさんは溢れ出る好奇心に全て向き合ってきたからこそ、独創的な小説やエッセイを数多く生み出すことができたのだと思う。
本書は、らもさんが世の中の事にどんな風に興味を持っていたかを知る、そのエッセンスを多分に感じられるだろうと思う。
〜アウトローな世界へようこそ〜
本書だけでなく、らもさんのエッセイや小説はどれも刺激的で面白い。個人的にはどれもオススメだ。
内容を生理的に受け付けない人もいるだろう。でも、この面白さを知らないまま死んでしまうのはもったいない、というのは言い過ぎじゃないと考えてる。
中島らもさんを知らない人は、とりあえずどれでも良いから一冊作品を手に取ってみてほしい。
触れちゃいけないと思ってた世界が意外と身近にある面白さを感じられる筈だ。