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【サピエンス全史(第3部 人類の統一)】歴史は分岐点の連続であり、その選択は必然とは言いきれない。

さて、長い長いホモサピエンスの歴史も折り返しになった。

この部では、村や町や国になったホモサピエンスの集団が、どのような過程を経て、現在のグローバルな世界になったのか、が書かれている。

大陸を越え、海を越え、地球上のホモサピエンスたちがどのように統一に向かっていったのか。

〜統一向けた3つの大きな要素〜

地球上のホモサピエンスが統一に向かっていった大きな要素は3つある。
それは、

貨幣
帝国
宗教

である。

貨幣は現代の支配者と言っても過言ではない。貨幣はサピエンスを統一に進めた要素と言っても誰も異論は無いように思える。
一方、帝国や宗教は今の世の中では話をする事自体も嫌な顔されるようなものだけど、それでも地球上のサピエンスの統一への道を開いた大きな要素なのだ。

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貨幣相互信頼という概念を作り出した**。
すなわち、他者が信頼しているものを信頼する、という考え方だ。
物々交換には限界がある。しかし、互いに貨幣という価値を信頼しているので、それぞれの人が価値を提供して価値を得る、ということが可能になった。

帝国文化の多様性を作り出した
他国を侵略し支配する過程において、支配される側にとって見れば、支配する側の文化を取り込まざるを得なかった。文化を取り入れ、支配する側の文化に則り、自らの権利を主張する者もいた。
他者、他国の文化を取り入れる事で、その多様性が広がっていったのである。

そして、宗教は人間性というものを確立していった。
それは、個人であったりまたは社会、さらには人類全体を指して、最善の道を考える事だった。
この過程において、サピエンスは人間とは何かということを深く思考し、サピエンス以外の生命と人間を明確に区別した。

〜歴史は一本道ではない〜

さて、人類の統一に向けて貨幣と帝国と宗教のおかげだった。しかし、これらが今のグローバルな世界に不可欠な要素だったかどうか、という点については、そうとは言い切れない。

デンマーク語よりも英語の方が行き渡っていることや、キリスト教とイスラム教がここまで広く広まっている事について、「どのように」が説明出来ても、「なぜ」は説明が誰にもつけられない。
歴史は分岐点の連続である。
また、その分岐点の全ては人間の利益のために選択されていたり、人間にとって有益な方向ばかりに進んできたわけではない。

歴史は様々な分岐点を選び続けた結果であり、別の世界が存在した事は否定ができない。選ばれた道がなぜ選ばれたのかは誰にもわからないのである。

人類の統一のために大きな要素となった、貨幣、帝国、宗教も分岐点の連続の中でたまたま選ばれた要素なのである。
それらが、人類の統一において有益な要素であったかどうかは誰にもわからないのである。

〜可能性の広がる未来〜

過去の歴史を見返しても、順調に前に進み続けできたのかどうかは、誰にもわからない。
重要な時点と時点を繋ぐストーリーは語ることが出来ても、それが必然であった事は誰にも証明できない。

このまま資本主義が発展し続ける未来も想像できるし、そうでない未来も想像出来る。
グローバルな世界が広がる未来も想像出来れば、また国々がバラバラになる未来だって想像出来る。
想像可能な未来はそこへ進む可能性があるのだ。そして、その分岐点はサピエンスの意思に関係のないところで選ばれているのかもしれない。

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