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【13歳からの金融入門】子供への"お金"の教育について考える
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆
"お金"について、学ぶ機会は少ない。
というよりも、義務教育でお金の事について学ぶ事は無いし、経済学を大学で学んだとしても、具体的なお金の流れは明確には見えないだろう。
悲しいかな"お金"の勉強は、自主的にやらなければ、学ぶ事は出来ない。
かくいう僕も、大人になってからお金の動きというものを意識して学ぶようになったが、本当ならば、この本のタイトルのように子供の時に学んでいれば、どれだけ世の中の見え方が変わっていただろうと思う。
〜コンセプトは「子供でも理解できるお金の話」〜
まず、この本のコンセプトが非常に面白い、と僕は思った。
この本は、お父さんが13歳の息子にお金について教える、という体裁をとっており、まさしく「子供でも理解できるお金の話」となっている。
なので、経済や金融で使われる言葉の一つ一つを丁寧に簡易な言葉で説明しており、あまりに複雑な事については、深くは突っ込まずに「こういうものがあるんだよ」というように、"お金"についてのあらましをざっと伝えてくれる。
経済、金融について完全な初学者にとっても、すんなりと読める内容となっている。
〜入門の中の入門〜
しかしながら、僕もこれまでいくつか株や経済、金融に関する本を読んできたが、
ある程度知識のある人にとっては、新しく得られる事は少ないかもしれない。
あくまで、13歳の息子に教える内容となっているので、内容は非常に簡単であっさりしている。
しかしながら、「ああ、これがわからない人にはこう伝えればいいのか」という点は非常に参考になる。
〜稼ぐ、儲けるは金持ちだけの話ではない〜
この本の著者は弁護士であり、経済については大学で学んだだけだという。
しかしながら、経済に携わる仕事をしていない著者にとって、学校で"お金"について学ばない事について、危機感を持っていたのだという。
アメリカでも、引退後の社会保障制度が破綻してきている。日本の年金制度については、みなさんご存知の通りだ。
「老後に国はアテに出来ない」というのは、もはや常識となってしまい、僕らは生きていくためのカネを稼がなくてはならない。
儲ける、稼ぐ、という知識は一部の金持ちだけではなく、むしろ、普通の社会人として生きている人々にとって重要な知識となっているのだ。
一般教養として、"お金"の知識は必要だ。
僕は、この本全体を通して、著者がそんなメッセージを伝えている気がしてならない。
"お金"の話は決して卑しい話ではない。もはや、生きていく上で、必須の知識となっているのだ。