【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第二話
六花のお母さんは、前触れもなくいきなり死んだ。
買い物帰りに横断歩道を渡っていたら、左折してきたトラックが突っ込んできた。トラックは曲がるくせにスピードも落としておらず、前もろくに見ていなかった。
即死。百パーセント、相手が悪い。
知らせを聞いた六花と父ちゃんが病院に駆けつけると、お母さんはすでに霊安室にいた。
「念のため、本人確認してください。」
と言われて、手を震わせていた父ちゃんが立ち上がる。六花も続こうとしたら
「ご遺体の損傷が激しいから、あなたは