縦と横の思想が魅了するプロダクトをつくる
こんにちは、世界中のヒトや組織の可能性を拡げたい、たけてつです。
株式会社アトラエ で Wevox のPdM/デザイナーをしています。
ソフトウェアやアプリケーションが溢れ、多くの競合や類似サービスが存在するようになりました。そのような状況で、サービスを多くの方に届けたり、新しいサービスを考えてつくりだしていると思いますが、みなさんはどんな所を大事にされていますか?
ユニークを生み出すための「アンチテーゼ」
私はサービスを選定する側の経験もあり、当時は機能比較を行いながら費用がいくらかなど社内向け資料をつくり検討していました。そんな経験や顧客との商談で「◯◯という機能はありますか?できますか?」と聞かれると、競合と比べて機能に差を感じ、埋めたくなります。
新サービスや新機能は、いきなり多機能にするのは難しいので、芯をついたコア機能に絞って開発しますが、市場にすでにあるサービスと比べると物足りなかったり、似た機能では埋もれてしまったりしがちです。
そういう時に、思想のレベルから世の中のサービスに逆張り(アンチテーゼ)することで、多くの競合や類似サービスと異なる存在となりユニークになれる可能性があります。
これまでの私たちの例を挙げると
世の中:サーベイは声を集めるもの、だから情報は中央へ。
アンチテーゼ:サーベイは声を共有するもの、だから情報をオープンに。
具体的には、結果を共有できるようにする閲覧権限を付与可能だったり、回答者本人が自分の結果を見れるようになっています。
思想のアンチテーゼがサービスのコンセプトとなり、開発する機能に反映される結果、類似サービスと異なる部分が出てくる。特徴が出てきて差別化につながります。
とはいえ、アンチテーゼを張るのもカンタンではなく、どこでアンチテーゼを張るのか?というのが試行錯誤のポイントになってきます。
この考えで挑戦していることを想いと共に綴っているので下記もご参照ください。
マルチプロダクトとコンパウンドプロダクトの違い
日本では、2022年後半からコンパウンドスタートアップという考え方が出てきています。細かい説明はうちのリーダー森山のnoteを読んでいただければと思いますが、マルチプロダクトの違いも含めて大きく3種類あると考えています。
顧客基盤を最大限に活かすマルチプロダクト構造
これは、特定のターゲットユーザーが抱える複数の課題をいろんなプロダクトで解決をする形態になります。ユーザーが固定されている為、課題発見しチームに展開しやすかったり、出来上がったアプリケーションを届けやすい特徴があります。
テクノロジーを最大限に活かすテックプラットフォーム構造
これは、違う業界の似た課題をテクノロジーを横展開することで解決をする形態になります。完成したテクノロジーをまだ解決できていない業界へすぐに展開できるスピードが特徴です。(この構造もマルチプロダクトと言われていると思いますが、わかりやすく勝手に命名してます)
データを最大限に活かすコンパウンドプロダクト構造
これは、テーマに沿ったあらゆるデータをすべて使って、複数のアプリケーションを通して各関係者を解決する形態になります。データが共通になることで、各アプリが取得したデータをプロダクト全体で共有できます。その為、どのターゲットユーザーにも同じ体験を提供できたり、連動させたりできるのが特徴です。
コンパウンドプロダクトにはConceptとAxisが大事になる
世の中にあるプロダクトは、作り出したい世界観を「ビジョン」や「ミッション」で言語化していると思いますが、そのビジョンに沿ってプロダクトの価値の方向性を「コンセプト」として言語化することで、何をつくるべきか。何をつくらないのか。がハッキリしていきます。シングルプロダクトの場合、全体コンセプト1つとなりますが、前述のように多角化していくとプロダクト全体コンセプトがありながら、各アプリケーションのコンセプトも必要になってくると考えています。
Wevoxは、組織もチームもヒトも「自走できる」をコンセプトに開発してきていますが、多機能化に伴い、各アプリケーションにもコンセプトを設定してみようとしています。
組織として、チームとして、個人として「自走できる」ようになる為には、いろんな要素があると思います。その要素から行為である「動詞」に着目をして整理していくとアプリケーションの輪郭が見えてきて、そのまま各アプリケーションのコンセプトになりますし、何をつくらないかハッキリすると考えています。(まだまだ途中ですが、コンセプトを公開しちゃいます)
もうひとつ大事になると考えているのが、多機能化に伴って各アプリケーションが開発されリリースされていきますが、SaaS全体のビジュアル、体験、テイストなど全体としてのブランドをブラさない為に共通認識が必要になります。これは日々ヒシヒシと感じています。
ブランドの考えは下記をご参照ください。
一方で、各プロジェクトチームが自発的に追求していくことで溢れる創造性を止めたくないとも思っています。どうしたら共通認識がつくれるか。と考えた時に幸いにも日々Wevoxのことで話し合ったり考えている内容にブレはないと感じたため、すでにヒントがあると思いました。
プロダクト全体のコンセプトである「自走」を踏まえて、日々の対話からエッセンスとして抜き出し、Wevoxチーム全体を横串にするように言語化を試みました。これらをブランドに重要な「軸」として3つ定義してみました。(こちらもまだまだ途中ですが、公開しちゃいます)
Openness(閉じずにオープンに)
組織もチームも個人も自走できるように情報も考えや想いもオープンになれる/できることが大切
Wevoxに集まったデータを社内に公開できる
集まったデータを真ん中に置いて対話する仕組み
Individuality(手触り感やその人らしさ)
心を扱うサービスだからこそ、デジタルだけでなくフィジカルのコミュニケーションも大切
チームや人をテーマにしたサービスだからこそ、一人ひとりの特徴がわかる
デジタル上でもヒトの所作がわかる仕掛け
Energetic(ワクワクして活気づく)
エンゲージメントのサービスだからこそ、ワクワクが大切
エンゲージメントは伝播するからこそ、エネルギーをチャージできる場をつくる
デジタル上でエネルギーの伝播ができる仕掛け
プロダクト"らしさ"はコンセプトと軸がつくる
機能性をコンセプト(Concept)で、情緒性を軸(Axis)でプロダクトを支えていくことで”らしさ”がつくられると考えました。
図にまとめると下記となります。
カスタマーサクセスチームが「価値がある」と感じたことは、サービスとして開発し提供していく文化でもありますので、開発チームだけでなくWevoxチーム全体で持つべきコンセプトと軸にする必要があります。また、カスタマーサクセスがお客様に提供していく中で本当に価値があったものをさらにスケールさせるためにプロダクトに落とし込んでいくことも並行して実施していますので、より一層大事になると思っています。
途中でも書きましたが、これらは未完成でまだまだ伸び代ポイントであり、今後もこの考えでプロダクトをアップデートしていきますし、コンセプトと軸自身もアップデートをかけていきます。
プロダクトづくりにはドメイン知識も必要
提供価値をよりハッキリさせ深い価値を作り出すには、ドメイン知識も必要になります。私たちWevoxでは、
エンゲージメント研究の第一人者の慶應義塾大学 島津明人 教授
対話型組織開発を得意とするアクション・デザインの加藤 雅則氏
リーダーシップとチームワーク研究者の早稲田大学 村瀬 俊朗 准教授
にご協力いただいていますが、組織づくりやチームづくり、個人の成長に関する学習や認知科学などは、組織開発や人材開発等でいろんな分野で研究されています。非常に興味深い研究が多く、自社に反映したり、社会実装もしていきたいと考えています。
また、アトラエ自身が自分たちの組織づくり、チームづくりにこだわり、試行錯誤をしてきている実践者でもあると思っており、とことん深掘りしにいくこともあります。時には、ある領域に詳しいエキスパートの方を巻き込ませていただき、一緒にプロダクトづくりをしています。
いろんなチームを組みながら、研究の知見と実践知をミックスしたプロダクトを多くの方に届けること・使っていただくことが、Wevoxのビジョンである「誰もが活き活きと働ける社会」へ少しでも近づく道筋だと信じています。
ビジョンの実現のために
私は、信じていることのひとつに「偉大なプロダクトは、偉大なチームから生まれる」があります。ただ「偉大なチーム」をつくることが本当に難しいと思っています。それは、組織づくりもチームづくりもメンバーが違えばやり方が変わってくるからです。自社でもWevoxを通してもいろいろ経験してきましたが「これをやっておけばいい」といった銀の弾丸はありません。それでも日々探究し学びながらプロダクトとしてカタチにするというチャレンジをしています。それは、Wevoxを通して世の中にたくさんあるチームが少しでも良いチームに近づき、そのチームから良いサービスが生まれたら、世の中に少しでも良い変化が起こるかもしれない。と自分の想いと重なりを感じているからです。こんなに楽しいことはありません。
Wevoxをご利用いただいているみなさまの変化を目の当たりにしていると、遠いながらも近づいている実感がありますが、Wevoxが目指す「誰もが活き活きと働ける社会」になるには、まだまだまだ伸び代がたくさんあります。チームみんな各々の想いを重ねながら、組織のチームの個人の「自走」をチームみんなで探究して必要なピースを見つけカタチにしていくチャレンジをしていきます。面白そうだなと感じた方・共感いただいた方は、ぜひお声がけください!応募もお待ちしております。
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