北村毅
元舞台俳優の経験を生かし、舞台で使われる言葉(舞台用語)を私見満載で解説しています。舞台人なら知らないと恥ずかしいことから、知っていると一目置かれる(?)ことまで。観劇がメインの方にも楽しんでいただけるよう、豆知識や裏話等も添えてお伝えします!
こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「化粧前」です。 「化粧前(けしょうまえ)」というのは、メイクアップや身支度を整えるための鏡台で、劇場などにある楽屋での俳優個人のスペースを言います。 「スッピン」のことではありません。笑 『北村くんの化粧前めっちゃ散らかってない?』 というのは、 鏡の前にモノが散乱しているという意味であって、 「北村くんの素の顔面が散らかっている」わけ
こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「マチネ・ソワレ」です。 舞台興行の中でも、特にミュージカル公演ではよく使われる「マチネ」「ソワレ」という言葉。 バレエやオペラなどでは聞きますが、 ストレートプレイなど「お芝居」を専門にやってらっしゃる方などはあまり使わない印象ですね。 さて、この「マチネ」と「ソワレ」 語源はフランス語で、 「マチネ(matinée)=午前・朝」 「
こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 舞台用語をほぼ主観(?)で説明していく 【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「ダメ出し」です。 「ダメ出し」というのは、 舞台やテレビの世界で主に演出家などが役者やスタッフに対し、修正点や検討すべき点、演出上の要望などを伝えることを意味する言葉です。 この「ダメ出し」 より良い作品を創るため、そして演出意図をメンバー全体で共有するためにも非常に重要な作業です。 バラエティ番組などでタレントが使い始めたことがきっ
【舞台用語を覚えよう】シリーズ 今日のテーマは「ト書き」です。 「ト書き」というのは、戯曲(台本)の中で、「台詞(セリフ)以外の文章」を差す演劇用語です。 本読みのときなどに「ごめん北村くん、ト書き読んでもらっていい?」とか言われるアレです。 「ト書き」は登場人物の動作や行動、出入り、時代や場所・背景の指定や、舞台装置・照明効果の説明などが書かれた文章で、 実際の舞台本番でこの文章が音声として読み上げられることはありません。 一般的には、台詞より段落を下げて書かれて
こんにちは。 北村毅(きたむらたけし)です。 今日は「舞台用語を覚えよう」シリーズ第5段! 【「ゲネプロ」って何?】です。 ゲネプロ… 本番が近くなってくると聞くようになるこの言葉。 「今回は小屋入ってから時間カツカツやし、ゲネプロできるかわからんわー」 「ゲネプロは絶対にやりたいんで、スタンバイは早め早めにお願いしますねー」 みたいな使われ方でしょうか。 この言葉は、 舞台公演初日や本番の直前に、衣装・メイク・音響・照明など、 全て本番と同じ条件で行われる「最終通し
【舞台用語を覚えよう!】シリーズ 今日のテーマは「尺貫法」です!! 「あそこの劇場は間口8間(けん)あったよね?」 「今回の会場は奥が2間(けん)ないぐらいなんで、フォーメーションを変えて対応します。」 みたいな使い方をしますね。 尺貫法(しゃっかんほう)というのは、中国が起源とされる長さや面積、重さ、体積などの単位系の一つで 701年の大宝律令で日本の尺度として定められた長い歴史のあるものです。 「尺」は「長さ」の単位、 「貫」は「質量(重さ)」の基本単位となります
今日の「舞台用語を覚えよう!」は どうして一日中「おはようございます」と挨拶するの? です。 ミュージカルやダンス業界に限らず、社会に出ると遭遇する、 朝でもないのに「おはようございます」という挨拶。 生徒たちから 「もう朝じゃないよー。こんばんはでしょー。」 などとツッコまれ、どう返したらいいか困った経験はありませんか? 大人の皆さんは、 「知らないうちにそういう習慣が当たり前になっていた…」 という方も多いのではないでしょうか? そもそも「おはようございます」って
今日は「舞台用語を覚えよう!」シリーズ第2弾! 【「面・奥」って何?】です 「面」はメンではなく「ツラ」と読みます。 第1段の「上手・下手」が舞台の左右を表したのに対し、 「面・奥」は舞台の前後を表します。 英語圏では 舞台面を「Down Stage(ダウンステージ)」 舞台奥を「Up Stage(アップステージ)」といいます。 これは、ヨーロッパ諸国の舞台は八百屋舞台といわれる 「舞台奥を高くして傾斜をつけた舞台」が主流だったことに由来します。 客席側が傾斜の下な
こんにちは。北村です。 今日は「舞台用語を学ぼう!」ということで、 舞台で使われる専門用語についてお話します。 最初の舞台用語は【上手】と【下手】 【じょうず】【へた】ではなく 【かみて】【しもて】と読みます。 これは、舞台(ステージ)の左右を区別する言葉です。 客席から舞台を見て、右側が上手、左側が下手。 ステージから客席側を見て、左側が上手、右側が下手になります。 慣れないうちは 「あれ?どっちが上手だっけ??」 と混乱してしまうこともありますよね。 舞台のお
突然ですが皆さん、 水分…摂ってますか?? ここ数年、夏場に熱中症や脱水症状で救急搬送される人のニュースなどにより、 「水分補給」の重要性はかなり認知されてきていますね。 ただ、夏場のイメージが強いこの「脱水症状」 実は… 冬にこそ気をつけて欲しい症状なんです。 暑さや発汗もあり、夏場は頻繁に水分を摂ると思います。 でも冬は寒いし身体を冷やしたくないし… 夏場に比べて水分の摂取量が減るのではないでしょうか? 冬はエアコンなどの暖房器具の使用によって、 室内外問わず空気
もう10年近く前ですが、とあるミュージカルで共演した先輩俳優のお話。 ハリウッドなどでも活躍されていて、僕が「日本人の俳優で誰が一番好きか?」と聞かれたら必ずこの人の名前を出すほど憧れている先輩なのですが、 彼はよく稽古場で「やってみます」という言葉をつかっていました。 演出家や振付家からの無茶振りともいえるオーダー(要求)に対して、彼は自分ができるできないに関係なく「やってみます」と答え、その場でやってみせる。 考えるより先にまず行動してみる。 すると本人はもちろん、
こんにちは。 以前、「オーディション対策ってなに?」という記事で 対策レッスンに意味があるのか?という話をしました。 今日は、子役・大人問わずいろんなオーディションを審査側から見させてもらう機会も増え、僕がいま感じていることを前回よりも踏み込んで書いてみようと思います。 オーディションという場は、受ける立場からすれば 「舞台に立つ機会を得るために、主催者や製作者に自分という商品を売り込む場」 なのですが、主催者側からすると 「今後、一緒に作品を創っていく仲間を発掘する場
今日から11月ですね。 あと2ヶ月で2019年も終わりだなんて信じられません。 こんにちは。 ハロウィンなので仮装してレッスンに行ったら、生徒が誰も仮装をしてなくて 一人浮かれポンチみたいになっていた北村です。 生徒たちに 「なんで仮装をしてないの?」 と聞くと 「やろうか迷ったけど、怒られそうだったから…」 いやいや。 オレ、そんなん絶対怒らないタイプやん。笑 やりたかったらやればいいのに。 てゆーかね、逆にもっと怒られにきなさいよ。笑 みんな真面目でいい子なん
こんにちは。北村です。 今日は、簡単そうで難しい…「続けること」について。 このnoteでもよく言っていますが、ダンスや歌などの芸事に限らず、 結果を出すには「継続する」ことがとても重要だと思っています。 専門学校などで教えていると、1年や2年そこそこで結果を出そうと 生き急ぐ人をよく見ます。 卒業までに一人前になりたいという気持ちは理解できます。 卒業したら「プロ」として活動していくのですから…。 「プロ」と「アマ」の違いはまた今度お話しますが、 一般的には、専門
こんにちは。 北村です。 今日はダンスのお話。 よく聞く意見の中に 「私、ダンスが苦手で…」 「ダンスセンスないんですよー」 「ダンスって難しそうで敷居が高い…」 というような内容のものがあります。 皆さんはどうですか? ダンスって難しいと思いますか?? 結論から言います。 …そりゃ難しいですよ。笑 でも、それはとっても上のレベルの話。 プロとして踊る場合は、自分が楽しいだけでなく 観ている人に伝わるダンスを追求しなければならないので 難しいのは当然です。 た
プロとして舞台に立つためには、観に来てくださるお客様に 作品のメッセージを正確に伝えられる「技術」が必要です。 「技術」と一言に言っても、呼吸や滑舌、読解力、身体表現など… 挙げだすとキリがないぐらい多くの技術が存在します。 今日はその内の一つ、 「伝染力」のお話。 「伝える力」ではありません。 「伝わる力」です。 いきなり本題に入りますが、皆さんは 「客席にいるお客様が、どんな表情で舞台を観ているのか?」 って知ってますか? 実は、作品に集中しているお客様のほとん