Takeshi

1988年生まれ。小説と言語、音楽と芸術に興味があります。

Takeshi

1988年生まれ。小説と言語、音楽と芸術に興味があります。

最近の記事

文学コント「二人の不真面目な大学生」

学生A「あっ、Bから電話だ」 学生B「今バイト終わったところでさ、悪いんだけど今夜泊めてくれないか」 学生A「別にいいけど」 学生B「明日の1限、経済学のテストだろ、これから実家に帰ると起きれるか不安なんだよ」 学生A「オッケー。一緒に一夜漬けして、なんとかパスしようぜ」 学生B「おれもお前もこれ落としたら留年だもんな。頑張ろうぜ」 -次の日- 学生B「おい!何してんだよ!学校に行かせてくれ!」 学生A「学校には行かせん」 学生B「成人男性が成人男性のズボン

    • 小林泰三『アリス殺し』の感想【ネタバレあり】

      ずっと読みたかった一冊。図書館にあったので、備忘録として感想を書いていきます。 あらすじ 栗栖川亜理が毎日見るアリスの夢の中で、ある日ハンプティ・ダンプティが転落死する。明くる日亜理は大学に行くと、そこでも屋上から男子学生が転落するという事故が起きる。アリスの夢の世界の登場人物は、現実世界の人物と対応しており、夢の世界で死んだ人物は、現実世界でも死ぬようになっている。夢の世界でアリスに殺人容疑をかけられたことにより、亜理は真犯人を見つけるべく動き出します。 感想(ネタバ

      • 瞬間移動死体:西澤保彦

        瞬間移動の条件  ・アルコールを飲むと発動    ・自分の体以外は瞬間移動しない   (衣服は移動しない、但し刃物が体に刺さっている場合は一緒に移動)  ・移動先の物体1つが移動元に移動する(バランスウェイト) 感想 語り手であるコイケが妻の殺人を計画するため初めは倒叙もの。 別の人物の死体が発見されてからは探偵視点となる。玲奈に詰問され、犯人だと疑われるのも良い。2回目に読むときは、玲奈の印象が変わる。 真相を見破るのはかなり難しい。被害者がステーションにいたことと

        • 似鳥鶏『推理大戦』の感想【ネタバレあり】その1

          書店に平積みされていたので購入しました。著者の作品を読むのは初めてでした。面白くてほぼ一日で読み終えました。 特殊能力を持つ世界各国の名探偵達が、聖遺物獲得を目指し知恵比べに挑むというお話です。感想や気になった点をネタバレありで書いていきます。 読者視点で犯人が絞られる? 作中で実際に起きた殺人事件=推理ゲームと仮定すると、それまでの章で描かれた4人の探偵は犯人ではないのでは?と思ってしまいます。犯人=出題者側に回ってしまうと、賞品である聖遺物を獲得できないからです。

        文学コント「二人の不真面目な大学生」

          早坂吝『ドローン探偵と世界の終わりの館』の感想【ネタバレなし】

          廃墟にやって来た探検部員達が、何者かに襲われる。部員の一人であるドローン探偵・飛鷹六騎は、ドローンからの映像で真相を解き明かしていきます。探偵が厳密には殺人現場におらず、ドローンで限られた映像のみ確認できるという設定が斬新です。安楽椅子探偵と呼べそうで呼べない感じでしょうか。 早坂吝作品を読むのは6作目。本作も最高でした。それでは、トリックについてはネタバレなしで感想を書いていきます。 トリックの斬新さを宣言している 第一章「読者への挑戦状」で、本作におけるドローンの定

          早坂吝『ドローン探偵と世界の終わりの館』の感想【ネタバレなし】

          我孫子武丸『修羅の家』の感想【ネタバレあり】

          一人の女によって洗脳され、乗っ取られた家族の話。被害者の一人である初恋の女性・愛香を救うため、北島が奮闘する姿が描かれます。 本格ミステリを読みたい気分だったのですが、心がざわつく展開が続き、ページをめくる手が止まりませんでした。 北島が愛香を助け出す具体的な作戦を思いついてからは、勧善懲悪によるカタルシスを期待し、アドレナリンが分泌されているのを意識しながら、ラストまで一気に読み終ました。 終盤の山口と対峙する場面では、北島が作戦を無事に隠し通せるのか、ハラハラさせら

          我孫子武丸『修羅の家』の感想【ネタバレあり】

          辻村深月『名前探しの放課』の感想【ネタバレあり】

          土日休みの2日、丸々あれば読み終えられる文量でした。 すみませんが、いきなりネタバレありの感想です。直接的には明示しませんが、内容に全く触れずに作品の素晴らしさを語るには、まだ文章力が足りません。 大きなトリック(読者を驚かせる仕掛け)があります。これが分かったとき、脳が数分フリーズしてしまいました。読み終わったら、もう一度最初から読んでみることをお勧めします。 読み返す前の時点で、「おや?」と感じる伏線がいくつかあったのを思い出せたのですが、そのヒントから結論に辿り着

          辻村深月『名前探しの放課』の感想【ネタバレあり】

          本の感想を書いてきます。

          ミステリを中心とした書籍の感想を書いていきます。 アウトプットすることで名作を記憶に残しておくことと、文章力、要約力の向上を目的としております。 できるだけネタバレを避け、著者に敬意をもって臨みます。

          本の感想を書いてきます。