文学コント「二人の不真面目な大学生」

学生A「あっ、Bから電話だ」

学生B「今バイト終わったところでさ、悪いんだけど今夜泊めてくれないか」

学生A「別にいいけど」

学生B「明日の1限、経済学のテストだろ、これから実家に帰ると起きれるか不安なんだよ」

学生A「オッケー。一緒に一夜漬けして、なんとかパスしようぜ」

学生B「おれもお前もこれ落としたら留年だもんな。頑張ろうぜ」


-次の日-

学生B「おい!何してんだよ!学校に行かせてくれ!」

学生A「学校には行かせん」

学生B「成人男性が成人男性のズボンを下ろすな!小学生か!」

学生A「学校には行かせん!」

学生B「テストに間に合わないだろ!留年したらどうすんだ!」

学生A「おれはすでに必修を休みすぎて、留年が確定している」

学生B「マジかよ!道理で昨夜、おれだけ勉強してると思った。おまえずっとテレビ見てるから、こいつ一夜漬けの意味知ってるのか?と思ってた」

学生A「知らない」

学生B「知らない言葉を適切に使える人っているんだ」

学生A「オレ、リュウネン、スル ・・・ダカラ、オマエモ、リュウネン、スル、will you?」

学生B「バケモノが英語を使うな!くらえ!」

(学生B、一旦ズボンを脱がさせてから、学生A を蹴り飛ばす)

学生A「うげっ!」

学生B「泊めてもらったのに蹴り飛ばしてごめんよ。おれは大学に行くよ!じゃあな!! ・・・あれ、ドアが開かない」

学生A「うちのドアは中からは鍵がないと開かないんだ」

学生B「どういうこと?」

学生A「外からはロックしたりできるけどね」

学生B「思い出した!こいつの家、ドアが逆についてるんだった!一度もクレーム入れずに何年も過ごしやがって。何ヶ月か前に鍵なくして家から出られなかっただろ」

学生A「あの時は死にかけた」

学生B「それで必修も落としたのか。鍵をよこせ」

学生A「昨日お前が玄関を開けたとき、外に投げ捨てた」

学生B「なんでそんなことするんだ!」




学生B「1限、始まっちゃった・・・留年が確定してしまった」

学生A「お前は今どういうことを考えているようなのだろうか?」

学生B「なにその日本語」

学生A「・・・」

学生B「そうだなぁ、自分の弟を積極的に留年させる兄って、この世にいるんだなぁ。って思ってるよ」







参考文献:『山椒魚』井伏鱒二著


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