あなたは、誰かの大切な人(原田マハ、2014) 読書感想文
あなたは、誰かの大切な人(著:原田マハ、2014、講談社)
短編集である。
どの話も印象的だが個人的には「月夜のアボカド」がいちばん好きだ。
恋愛はいくつになってもできる。歳をとって実る恋だってある。
死に取り憑かれている暇はないのだ。
人生に速いも遅いも実はないのだ。
(ちなみに自分はアボカドはこの世でいちばん嫌いな食べ物である。)
死や死に至る病に取り憑かれている主人公たちの話がだんだん死から解き放たれていく。肝心の解き放つ役割を担う者は死者だったりする。今を悩み生きる者たちが本当の意味でこれからを生きていく力を見出していく様が見事に爽やかに書かれている。
METAFIVEの”See You Again”がこの本にピッタリだと思う。
大丈夫。大切な人なら、また会えるよ。
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