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物語

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自作の物語をまとめています。
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#創作大賞2024

掌編小説:ツン

掌編小説:ツン

父が風邪をひいた。
寝ていれば治るさと父は明るく振る舞う。
その影に、死の匂いが、ツン。
数日後、結局父は風邪を平然と治した。あの死の匂いはなんだったのか。
思えば父が風邪をひくたびに、死の匂いを感じていた。
思えば父のみならず、家族や友人や知人、誰かが風邪をひけば、死の匂いを感じていた。
思えば私は死の匂いをありとあらゆるものに感じていた。
家族が出かけると、事故に遭うんじゃないか、ツン。地震に

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童話:鳩とドーナツ

童話:鳩とドーナツ



1、

学校に行きたくないな。
そう思っていた清はドーナツ屋に向かっていました。
ドーナツは、オールドファッション、クリームドーナツ、もちもちリング、抹茶ドーナツ、富士山ドーナツ、粉雪ドーナツ、ジェリードーナツたくさん種類がありました。
清は迷わずチョコオールドファッションを一つ買いました。
理由は特にありません。
これを食べれば元気が出るかもしれない。
嫌な学校に行けるかもしれない。
そう思

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劇詩のようなもの:快楽の果て

劇詩のようなもの:快楽の果て

#18禁 #R18

注意:この作品は18歳未満の方には不適切な表現内容(性描写等)を含んでいるため、 18歳未満の方の閲覧は固くお断りします。ご了承ください。

なお、この作品はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

ーーーーー

一、

愛とはなんだ。

私は愛の結晶?

いや私は父と母のセックスで生まれた快楽の結晶。

私はだから快楽を貪る

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劇詩のようなもの: 風

劇詩のようなもの: 風

『風』をご覧いただきありがとうございます。
読まれてもしお気に召したり気になったことがあれば是非↓のメイキング…という名の反省文もご覧ください。
よろしくお願いします。

第一章

大風が吹く中ぼくは立てなかった。

時はたっていくのにぼくは立てなかった。

悔しさと悲しさが入り混じり、ぼくは涙した。

死を司るものが草原からすくっと立つ。

時間を司るものが草原からすくっと立つ。

運命を司るも

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