お尻上げって?
一年目からよくやっていたお尻上げ
なんとなくやっていることがありました。
振り返ると反省点が多いです。ダメな一年目でした。今でもそんな変わりないかもしれませんが(笑)
今回は、お尻上げの構成要素を少し取り上げていこうかと思います。
お尻上げは、ブリッジ動作、片側のみでされることが多いと思います。
一年目の時にお尻上げ=殿筋の強化と思っていました。しかし、皆さんなかなか殿筋に収縮が入らない、動作に変化が起きない、なんてことが多々ありました。
下の図はお尻上げの時に動作を見るときに気を付けていることです。
【大殿筋を狙うために】
① 膝関節を屈曲90°以上屈曲しておく
② 顎を引いておく。
③ 上肢は前にならえしもらっておく。
④ 骨盤の非対称性を修正してもらう。
①は、90°以下だとハムストリングスの活動がメインになってきます。大殿筋とハムストリングスの同時の活動を作る上ではいいかもしれません。
※膝の可動性に問題がある人は、また方法を変える必要があります。
②は、脊柱起立筋の過剰な活動で骨盤前傾が過度に誘発されないようにするためです。
③は、上肢の押しつけ(広背筋のリバースアクション)がおこらないように、上肢を前方にリーチしてもらい代償を減らします。
④は、殿筋の収縮の非対称性もしくは、③で上肢をリーチしていれば、腹部活動の非対称性が強いか、下方にある側の屈曲が短縮している可能性を考える必要があります。
【片側の場合は、、、?】
【大殿筋を狙うために】
① 膝関節を屈曲90°以上屈曲しておく
② 顎を引いておく。
③ 上肢は前にならえしもらっておく。
④ 骨盤の非対称性を修正してもらう。
両側の同様の構成になりますが、上肢があっても、非対称性が出現する方もいますし、④は特に非対称性が強くなると思います。
② 顎を引いてもらっても、脊柱起立筋の過緊張が強い場合は、頭を挙げてもらう。挙上側の下肢を90°以上まで曲げてもらって。骨盤を後傾にするなどが必要です。
③ 特に同側の上肢の押しつけが非対称性を強くする可能性があります。
④ 挙上側の骨盤が背側回旋しているときは、挙上側の腹部筋の活動が低下しているか、挙上側の腰部多裂筋の活動性低下の可動性が考えられます。訓練対象側が挙上不足の場合は、殿筋の筋力低下か屈筋の短縮、同側の腹部活動低下を考える必要があります。
【大殿筋と動作】
歩行:HCで大きく骨盤の制動で働きます。
起立:骨盤前傾から臀部離床まで働きます。
殿筋の機能低下がある場合は、この二つの場面で異常がみられます。
殿筋の機能低下をしている方は、スウェイバック傾向になる方が多い印象です。骨盤後傾+骨盤前方移動では、殿筋の活動性は著しく低下している可能性が高いです。
【統合と解釈】
お尻上げの際に、骨盤前傾が強く殿筋の活動が触診では乏しいとなった場合、脊柱起立筋もしくは広背筋の活動が過多になっており、股関節伸展時に骨盤を中間に保持するもしくは、後傾を保持する能力が乏しいため、大殿筋が働けないことが考えられます。
歩行の場面を想定するとHCではハムストリングスが早期に働くか、股関節の屈曲が乏しいもしくは過度な屈曲が入った状態で行われる可能性が考えられます。
起立の場面では、体幹の前方移動が不足するもしくは、胸腰椎の屈曲が大きくなり大殿筋を使わないような状態で実施する可能性があります。
動作としては、大殿筋が働けないもしくは参加効率が悪い。
原因としては、脊柱起立筋の過活動、腹部の低緊張
と考えることができると思います。
【まとめ】
デイや入所の常連利用者さんだと、リハビリ介入時はすでに臥床されていることが多く、介入も20分程度しかないため、再度起き上がって、評価して、また臥床となるとそれだけで時間の大半が消費されてします。急性期でも、慢性期でも臥位だから動作レベルが最後しか評価できないとよく新人に言われるのですが、なんとなくやっていたお尻上げから機能障害を予測し、動作レベルを考えて、介入していく。利用者の一挙手一投足から動作や参加を予測することで、治療に意味と幅を持たせていけると考えています。
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