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ゆるゆる図書室で暮らしてく

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図書室・図書館で過ごした日々でふわふわ漂う思考の海をゆるゆる記す フィクション込
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動いている図書室

動いている図書室

この図書室は広いキャンパス内でも本館から少々離れた場所にある分室で所蔵量は本館遠く及ばないながら、図書室内の蔵書の約半数は洋書が占めている。

学部の名前からしても、外国の文化について学んでいる学生が多い。そのため、洋書の貸出・複写が多いのと同時に、和書に分類される外国語のテキストの貸出も多いのだ。

今年度、ドイツ語やフランス語の検定テキストが大量に新着図書といて受け入れがあった。学部に所属する

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新着図書が本の森に埋もれていく

新着図書が本の森に埋もれていく

恩田陸さんの『図書館の海』という本が、私の読書歴の限りなく原点に近い。人生のターニングポイントだったと思う。このタイトルを一生忘れることはないと思う。

そんな思いを踏まえて、図書館にあるたくさんの蔵書たちを私は“海”よりもあえて“森”に例えたい。古い本から新しい本まで刊行年は関係なく分類別に配架されている書架には、しんとした静寂さとともに雑多性がある。秩序のなかでごちゃまぜになっているように感じ

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いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている

いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている

いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている。
正面には「ATLAS WORLD」と表紙に書かれた大判の本が面出しで配架されている。大判の地図コーナー。

多くの学生の利用者は入館ゲートを通ると、まず右手側に図書館備え付けの PCとオンデマンドプリンターに向かう。
大学の教授はご自身が発注してこの図書室の蔵書となった新着本たちを目当てに来室する。「発注していた図書が配架されました」というメールが

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なんかいいかんじかもしれん【これは日記】

なんかいいかんじかもしれん【これは日記】

今年度はじまって早3ヶ月が過ぎ、、、
ゆるゆる図書室で働いているに変わりはないが
新しく始めたことも多々あるわけで

なんかいいかんじかもしれん
(トプ画は自宅デスクです)

図書館勤務ね

まず一生懸命にメモをとってノートを持ち歩いて
てんやわんやで必死に食らいついてた感がなくなった

というかなくした

そんな必要ないなって

最低限のことは頭に入れた
それに自分のメモよりも体系的なマニュアル

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マニュアルとかメモって財産だって話

マニュアルとかメモって財産だって話

図書館で働き始めた僕に興味を持ってくる人がいる
カウンタースタッフとしてのマニュアルはしっかりしているが
やはり自分なりにまとめたマニュアルを作成して持ち歩いている
彼女はそれを狙っているらしい
見せても良いが見せるきっかけもないのに見せるのも気が引ける

本館での勤務時は1時間〜2時間ごとに作業内容がローテーションされていくシステムなので結構忙しない
ただ飽きなくて良いと周りは言う

僕のマニュ

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パラレル図書室

パラレル図書室

パラレルワールドに生きてるみたいだなって

蘭さんと私は交互にシフトに入っている
だからいつもすれ違ってる
業務日誌で名前を確認してお互いを認識し合ってる

丸2年前の初出勤日から数日間、初めに仕事を教えてくれたのは蘭さん
蘭さんはここの図書室のオープニングスタッフで、もちろん一番の古株

久しぶりに会うときは緊張する
でもものすごく人として大好きで良くしてくれるので、安心してすれ違っていられる

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