【繕う日々】お母さまとの時間をつくるウェディングドレスのリメイク
ことしもたくさんのウェディングドレスをリメイクさせてもらった。そのほとんどが、「お母さまのウェディングドレスのリメイク」だ。
お母さまのウェディングドレスのリメイクは、わたしの仕事のなかでも特に大切にしている仕事のひとつなので、とてもうれしい。
仕事ではあるけれど、毎回どんなドレスに出会えるのか楽しみで仕方がない。いろんなドレスがある。有名なブランドのドレスから、海外で仕立てられたドレス、ご家族が手作りされたドレスなど。
どのドレスにも、それぞれのストーリーがある。どこで仕立てたか、購入したか、どの時代でどんなものが流行っていたか。
わたしはとてもありがたいことに、貴重な「ウェディングドレスの服飾史」を学ばせてもらえているのだ。お母さまのウェディングドレスだと1960年代のドレスからリメイクさせてもらったことがある。いまは1990年代のドレスをリメイクさせてもらうことが多い。
つまりわたしはここ数10年くらいのウェディングドレスの歴史をこの目で目撃し、じっさいに触れてこれたということになる。じつはそれって、ちょっと自慢できることなのかもしれない。
どの時代にもひとつとして同じドレスはない。それは家族のあり方にもいえることだ。もちろん母娘のあり方にも。
打ち合わせには、お母さまもいっしょにいらっしゃることが多い。わたしにも娘がいるのでそのお気持ちはすごくよくわかる。だから打ち合わせでは、お母さまとお話が盛り上がってしまうことがよくある。
母娘ってほんとうに不思議だと思う。性格もべつべつ、好みもそれぞれ。けれどもお互いにお互いを思いあい、影響しあう。でも大人になると、同じ時間を過ごすことはどんどん少なくなってくる。
ある花嫁さまがこうおっしゃってくださった。
「仕事を始めてから母とゆっくり時間を過ごすことが少なくなり、こうしていっしょに打ち合わせに来ることが、大切な時間になっているんです」と。
たしかにそうだろうと思う。わたしもそうだった。大人になると、母親と同じ時間を過ごすことは少なくなる。
だからこうしてアトリエにいっしょに来ていただくことが、母娘の時間になっているとおっしゃっていただけるのは、ものすごくうれしい。
とてもちいさなアトリエではあるけれど、ここに通っていただくことも思い出のひとつになりますようにと、いつも願っている。
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▼今年いち「バズった」リール動画です!
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ドレスの仕立て屋と文筆家
タケチヒロミ