上っ面を追いかけるな
「教外別伝(きょうげべつでん)」という言葉があります。中国禅の初祖と言われる達磨大師が重視した言葉です。意味は、「経典などの文字やことばによらずに仏のさとりを心から心へと直接伝えること」というものです。
後世に残っている言葉は、当時の時代背景からやむを得ず出てきたものが多いのです。なぜ教外別伝という言葉が議論されたのでしょうか。そのポイントを示してみましょう。
・正法(釈尊の教えが正しく伝わる)から像法(正法に似た形骸化の時代)。
達磨が中国に西来した527年は、梁の武帝の時代(像法の中間くらい)。
・仏教を利益を得るものとして、お寺を多く建立していた時代。
お経の翻訳も、梁の時代に多くあり、大蔵経もこの時代のもの。
文字を読む、お経を読むのは誰でも読めるので、
理論仏教が盛んになっていた。
・達磨大師は、空理空論ではなく、本性を徹見することが大事だと説いた。
お経の文字を読むのが仏教ではない(教外別伝・不立文字)として、
本性を悟って仏になること(直指人心・見性成仏)が仏教だと説いた。
坐禅などを通して体験・体得による頓悟をするべきだと説いた。
(注: ただちに悟りの境地に達することを頓悟と言う。)
大切なのは、お経などの言葉だけでは表すことができない仏道の精神があるということです。文字に頼ってはならない、言葉だけに頼ってはならない、単に坐禅だけをするのではない、自分の奥底に向かって本性を極めていく以外に法は無いと言っているのです。
私たちは、つい書を通したり、ネットに書かれているものを探したりします。それは、上っ面の文字そのものの意味を追いかけているのです。そのような理解は本物ではありません。必死に考え、必死に悩んで、これしか無いと言うもの(本当に腑に落ちるもの)を見つけなければならないのです。それが、体感であり、体得なのです。
そして、体感・体得したものは、現実の世界であるがままに通用するものであることを確認・検証することによって本物になっていきます。
自分の内に向かって探究し、見つけたものが本物であることを検証しなければならないのです。
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