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正しい心を維持するために-その3 (888)

7回シリーズの3回目です。

私たちの行動の多くは、これまでの生活を通して形成された価値基準や、蓄積された知識を参照しながら行われると考えてよいでしょう。この時に注意しなければならないのが、価値基準や蓄積知識が完全に正しい知識・経験によって作られたものではない可能性があるということです。

このことを前提にすると、私たちの行動について少しでも心が乱れるような状況になっているかどうかを、点検すべきだとわかります。一般的には、心が乱れる状況とは、悩みや煩悩、あるいは欲望がほとんどということです。

そのような悩みや煩悩をそのままにしておくと、悩みや煩悩が解決しない限り、自分自身の理想の状態にはならないことが推測できると思います。ひいては、自分だけでなく周りの人たちに害を与えることにもなります。

悩みや煩悩は、無くすことが一番です。

悩みや煩悩を無くすには、悩みや煩悩が出てこない無心の状態を長く作ることです。そのような状態を作るためのツールが坐禅あるいはマインドフルネスです。

坐禅は、①姿勢をきれいにして身体を調(ととの)え、②呼吸を深く行う(腹式呼吸の数息観が代表的な方法)ことで息を調え、③周りのことを気にしないで無心となって心を調えていくという手順で行うものです。30-40分くらいを1回とする坐禅が一般的なのですが、少なくとも5分はやろうというように、少しずつ慣れていくことで坐禅の方法が身につくようになります。

無心の状態を作るのが坐禅だとすると、あることがらに集中して瞑想をするのがマインドフルネスです。マインドフルネスは坐禅の①と②の段階の後の③が、「あることがらを集中して瞑想をする」という点に違いがあります。(もともと、坐禅からマインドフルネスが出ていますから、やり方は似ているわけです。)

悩みや煩悩を無くすもう一つの方法が、悩みや煩悩は起きるものだと理解して、悩みや煩悩が出てきたら「あー、そう思ったのか」と認識し、「気にしないでおこう」と捨て去る(禅では、放下<ほうげ>と言う)ような習慣を確立することです。悩みなどで迷ったら、(一般的には)すぐには解決できないのだと達観して、悩みそのものを横に捨て去ればいいのです。

もちろん、放下するのではなく、「迷っているのは、時間が解決する」というようにポジティブに考え直すことも有効でしょう。要するに、忍耐することや謙虚さによって、迷いをただただ受け入れるということなのです。

他にも方法があるかもしれません。自分なりの対処策を考え、それを適用することが望まれます。

ポイント:
 ・迷ってもしようがないと達観する。
 ・坐禅やマインドフルネスに挑戦する。

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