身体を使って学ぶ(935)
頭を使って学ぶ英語と、身体を使って学ぶ英語では、どちらが効果的に学べるでしょうか。学校教育で、中学・高校と6年間英語を学んでも日常会話ができない人が多いことは周知の事実です。昔は、学校教育では身につかなかった英語を学ぶために、高額の英語教材(テープ学習など)を手に入れて学習するも、途中で投げ出してしまったという人も多いのではないでしょうか。
現代では幼児期から英語を学ぶということが喧伝されています。英語を学ぶ幼稚園すらあるのです。それらは、全身反応教授法(Total Physical Response)という、赤ちゃんが母国語を身に付ける学習プロセスを応用する英語教授法を利用します。幼児・子供は身体を動かしてから、続いて頭を使うという学び方をします。英語を学ぶときに、身体を同時に動かしながら覚えることで定着率が高くなると言われています。
学びの早い子供の特徴は、集中力に長けているというのがあります。理論的にも、脳科学では前頭連合野を刺激するのが学びにとって良いとされているようです。要するに、身体を使うこと、精神集中することで学び・気づきがあるということなのです。ちなみに、身体を使って学ぶことを「体得」と言います。
参考までに、ある禅師の逸話を一つ紹介します。
江戸時代の禅師が船に乗っていたら、その船が難破(なんぱ)して海に投げ出されたというのです。その時、禅師は精神統一して禅定(心を集中し、動揺しないこと)に入ったと言います。その結果、海水を飲むこと無く海面に浮かんでいて、最終的に浜辺に打ち上げられたそうです。人々が「土左衛門だ」騒ぐと、その禅師は眼をさまして、そのまま立ち上がり、歩き去ったというのです。坐禅三昧の修行をしている禅師は、精神集中を体得しているのです。このような体得を、身体を使って学び取るという意味の「身学道」と呼びます。海に投げ出されて苦しいなどと考えるのではなく、ただ精神集中しながら眼をつむっていたら助かったのです。もしも慌てふためいていたならば、海水を飲んで溺れ死んでいたに違いありません。
身体を動かすときには、身体を動かすだけに集中します。精神集中すれば、あるときフッと「あっ、これだ」という思いに至ります。それが学びなのです。学びのコツを得たならば、それからは次々に関連する学びが増えていくのです。
英語を学ぶときも集中力が必要であるし、坐禅修行もまた精神集中することです。英語教育や禅に限らず、なにごとも、一生懸命精神集中することが大事だと言えます。
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