東洋思想が花開いた中国の時代
東洋思想とは、広くはインドや東南アジア、中国から日本における思想と言えます。特に、紀元前に発生した儒教、仏教、道教(主として老荘思想から来ているもの)、神道を指していると思えばいいのではないかと思います。
日本では、儒教、仏教、道教ともに、中国から渡来したものが浸透しているのです。日本での精神文化の基礎となる思想と言ってもいいでしょう。今回は、それらの三つの思想がいつ花開いたかをみていきたいと思います。
まずは、開祖をみてみましょう。
儒教 取りまとめをした孔子(BC551-479)。中国の人。
仏教 釈尊(BC566?-486?、他にも説がある)。北インドの人。
中国には、1世紀頃に伝来したと言われている。
道教 老子(BC6世紀頃)。中国の人。
生年は不明な点があるので、ほぼ同時期と考えておくことにします。
次に、いつ花開いたか(普及したか)ということです。色々な思想が花開くのは、多くの場合、人々が急激な変化の時代に置かれているときだと言われています。時の権力者が治世のために思想を利用することが大きな理由だと考えられます。
中国では、三国時代を経て、漢族と匈奴(きょうど、遊牧民族)、鮮卑(せんぴ、遊牧騎馬民族)、羯(けつ、北部の小民族)、氐(てい、青海省周辺の民族)、羌(きょう、西北部の民族)の五胡と呼ばれる民族が打ち立てた国(十六カ国)が乱立する時代(304年から439年)がありました。その時代に東洋思想が花開いたのです。
その時代を五胡十六国と呼びますが、目まぐるしい政権交代を行なっていました。注目すべきは、権力者は中国の文化に憧れを持っていたということです。儒教、仏教、道教に思い入れ、学び取り、文化の保護をしたということが特筆できます。色々な人が出てきて、精神文化を興隆したのです。
玄学(老荘思想をより深く学ぶ)が三国時代に続いて盛んになります。同時に儒教も盛んになり、玄儒文史という文化が形成されます。相並んで盛んになるのが仏教です。ここでは仏教を例に、代表的な事例(人物)を示します。
仏図澄(ぶっとちょう、232年 - 349年) 後趙において徴用された。漢人の出家を推進し、893の寺院建立に尽力した。
釈 道安(しゃく どうあん、314年 - 385年) 仏図澄の弟子。前秦が政治顧問として重用した。中国仏教の基礎を築いた。鳩摩羅什を招くよう進言した。
鳩摩羅什(くまらじゅう、344年 - 413年?) 後秦の時代に約300巻の仏典を漢訳した。
慧遠(えおん、334年 - 416年) 東晋、廬山に住んだ中国仏教史の重要人物の一人。
なお、五胡十六国時代から少し下った梁(りょう)の始皇帝である武帝が仏教を擁護したことも有名(京都に500以上の寺を造る)です。その時代に、インドから達磨大師が西来して中国禅の初祖となっています。
混乱期には、精神文化の基礎を作った人が多く出てくるのです。
世界のトップリーダーたちはなぜ東洋思想を学ぶのでしょうか。
もちろん単なる教養として学んでいるのではありません。時代を読み解く切り口として、あるいは新しいビジネス発想を持ち得るための思考の源泉として、彼ら、彼女らは東洋思想を学んでいるのです。
世の中のトレンドや価値観はどこに向かっているのか。
もっと言えば「思考の源泉」はどこにあるのか。
彼ら、彼女らはそれを必死に探っていますし、そのヒントを東洋思想に求めているのです。
皆さんにも、そんな時代の流れを体感し、変化の正体の本質を知るとともに、ぜひ、西洋と東洋の知の融合の価値を知って欲しいと思っています。そこには必ず「今」という時代にフィットした「古くて新しい発見」があるはずです。
****************************************************************
#心 #ストレス #あるがまま #関係する人 #正しい見方 #禅 #禅の言葉 #迷い #自分学 #リーダー #役に立つ情報 #平尾隆行 #生き方を極める #禅的自分学 #迷いを放下する #新しい自分
電子本の案内: https://sites.google.com/view/jinzaisoken2017/zen_books
●ストレスをなくしてあるがままの「こころ」で生きる Kindle版 など
●『生き方を極める禅的自分学: あなたは自分の本心に従って生きているか』
[Kindle 無料アプリをインストールして お読みください。]
●『「あなた」が変わる古典の言葉』
( https://amzn.to/3HybqFD [短縮URL])には、55の禅語を解説しています。
*******************************************************************