書評『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
オススメ度:★★★★
【本書の概要】
B to Bマーケティングのコンサル会社才流の代表による、B to Bマーケティングの解説本。
大変平易な文章で書かれていて非常に分かりやすい。
B to BマーケはB to Cマーケとは少し性質が異なる為、to C向けに書かれたマーケ本では実務に活かしにくい場合がある。
その為B to Bマーケターには非常にオススメの一冊。
【自分が付箋をつけた箇所】
・B to B分野の見込み客の情報の取得源に関する調査の結果、1位が「企業のWebサイト」で65%を占めている
・B to Bにおいて売上=商談数x受注率x商材単価
受注率は30%未満に落ち着き商材単価も2倍、3倍にすることはできないが、商談数だけはマーケターの努力で10倍、100倍に増やすことが可能
・to Cでは購買関与者は原則1人だが、対してto Bでは原則として複数人、複数職種、複数役職の人たちが購買の意思決定に関与する
・to Cの購買目的は主として所有や体験だが、to Bでは「売上や利益を上げる」「コストを下げる」等業務上の課題解決がメイン
その為マーケティング上の訴求内容は、企業の課題解決にいかに寄与するかを訴求することが重要
・to Cの購入検討期間は不動産や車を除いて原則1-2週間だが、to Bでは数ヶ月もしくは数年単位の検討期間が必要
・to Cでは食べログやAmazon等でレビューをチェックできるが、to Bでは購入企業は事前の情報が少ない中で意思決定をする必要がある為、情報の非対称性が大きい
その為、Web上にコンテンツを大量に掲載し、顧客の不安を少しでも取り除くことが重要
・to Bはto Cと比較し顧客の数が極端に少ない
その為マス広告よりも業界紙での広告出稿が有効だったり、一度つくった顧客接点を維持・深掘りしていく重要性が高いと言える
・LTV(顧客生涯価値)が高ければ、CAC(顧客獲得コスト)を無視できる
・新規顧客の獲得コストは、既存顧客に売る場合の5倍かかる
その為既存顧客にアップセル(より高額なプランやメニューを販売すること)やクロスセル(他製品を販売)はCACを抑えるのに有効である
・LTV=平均購買単価x継続購買期間or平均購買頻度
・松竹梅の法則とは3つのプランを用意すると、多くの場合に「松2:竹5:梅3」の比率で売れるという法則
その為売りたいプランを竹にすることで顧客の誘導が可能
・CVポイントの階段を滑らかにするとリード数、商談数が増える