「DXは手段であって目的ではない」という話
ご覧いただきありがとうございます。主に「営業DX」「営業組織」「カスタマーサクセス」「デジタルマーケ」等について書いていこうと思います。拙い文章ですが、少しでもご覧いただく方の参考になれると嬉しいです。
※また少しでも「いいな」と思われた方、フォローいただけると嬉しいです
【この記事を読んでほしい方】
前提:BtoBの方
・DX推進部署に配属されたものの、何をすればいいのか分からない方
・とりあえずCRM、MA、SFAの情報収集を片っ端からやろうとしている方
・「営業効率化!」「DX化!」という上司の指示に戸惑っている方
・とりあえず最近流行りのツールを入れようとしている方
《冒頭》目的なきDXは、結果何も進まないことが多い
幸いなことに、こんな私でも現職や個人事業等を通して、多くの方から相談をいただけてまして、その際に多くいただく相談内容で「営業のDX化がしたい」「(DX化のため)自社サイトを改修したい」「CRMやMAを導入したいですが何がオススメですか?」等があります。
そのようなご質問を受けると必ず「目的はなんですか?」とお聞きすると「営業効率を上げたい」とお答えする方が多く、追加で「営業効率があがるとは、具体的に現状がどうなったら効率化できたと言えますか?」と聞くと、結構な頻度で答えが返ってきません。
そんなときに、私が伝えている内容を記事にしました。
ご参考になれば嬉しいです ※反対意見も絶賛募集中ですw
1.まずは何を解決したいのか、何をしたいのか整理してみよう
これはDX化を推進する方にとって「成果指標を具体化」することでもあるので、ぜひやっていただきたいです。また「売上を上げる」「収益力を向上させる」といった抽象的なことではなく「受注率を○%上げる」「移動コストを○%下げる」と具体的かつ数値目標まで落とし込んだ方がいいです。
これをしないと、仮に「収益力が向上した」という結果が出ても、なぜ改善したのか理由が明確にならない(再現性がない)。実務者は成果が出たと感じても、上司に「たったこれだけ?」と言われ成果として扱われない。という残念な結果になってしまうこともあります。
※そのためにも「売上増加」「収益力向上」の背景まで理解しているとより良いと思います。
前置きが長くなりましたが、この状況整理によくお勧めしているのが、マーケティングから営業まで(=リード獲得から受注まで)のフローを元に、各指標を数値化し、どこを改善したい(もしくは伸ばしたい)のかを視覚化することです
※下記は新規案件の獲得イメージ
(https://promonista.com/department-cooperation/より引用)
企業によって、多少違いはあるかもしれませんが、リード獲得から受注までの流れはそこまで変わらないので、上記を元に「リード獲得数」「コンタクト率」「アポ獲得率」「見込上率」「受注率」等を算出し、過去の数値と比較すると、直近で悪化したポイントなどが分かってきます。
2.「ツール導入」「自社サイトの改修」など手段を先に考えない
「当たり前だ!」という方もいると思いますが、以外とツールの情報収集から始める方は結構います。
またそのような場合《情報収集→導入コストを聞いてびっくり→上司から費用対効果は?》という議論になり、結果何もできなかったという企業を多く見てきました。
※これには、いわゆる「現状維持バイアス」も影響していると思いますが、それは別で記事にします。
また「DX化のため長年変えていない自社サイトを改修したい」「DX化のためSEOやりたい/自社メディア作りたい」というご相談もたまに受けますが、これは正に「DX化」が目的になってしまっているケースかと思われます。
そうならないためにも、ツールの情報収集をする前に1.で記載しました「何のためにDX化を行うのか」を徹底して上司とも議論すべきかと思います。
3.ツールは、導入すれば課題が解決する「魔法の道具」ではない
これは社内稟議が遅い会社に多い傾向ですが「ツールを入れてゴールした雰囲気が出てしまう(落ち着いてしまう)方」が結構おります。
あくまで、私のSaas営業とCS(カスタマーサクセス)をやってきました経験からですがツール導入よりも運用の方が圧倒的に労力がいるかと思われます。
上司や役員陣を説得するため沢山の情報を集め、稟議書を作り、ようやく導入(一息)…という気持ちは分からなくもないのですが、導入からがスタートと思っていただいた方がいいと思います。
※誤解がないようお伝えしますが、ツールは作業工数削減の効果も期待できるので、ゆくゆくは作業が楽になることはあるのですが、運用が定着するまでは、むしろ作業が増えると思っていただいたほうがいいかと思います。
例えば、CRMやMAなどは、総合コンサルティング会社内で専属部署があるぐらいなので、ツールによっては、運用支援だけでお金を頂戴したいほど、専門的かつコスト(工数)がかかると認識ください。
実際に、サービス導入後、なかなか活用が進まず、徐々に導入当時の温度感が低くなってしまうお客様を何度も見てきました。
※ただ、上記をきちんと説明せず、あたかも自社ツールをお手軽ツールのように営業したり、マニュアル通りのサポートを行うだけのカスタマーサクセスがいるベンダーの問題であることもありますが…あると思ってます。
4.覚悟なき「とりあえず入れてみよう」は失敗の元
Saas営業を行っていると「とりあえず無料ツールからやってみて、自社で運用して、出てきた課題等を元に有料ツールを入れるか考える」というお客様がいますが、無料であろうと有料であろうと、最初から自社に最適なツールを入れるべきだと私は思います。
理由としては…
「性能の悪い(もしくは自社に合ってない)ツールを使うと、正確な課題把握ができない可能性が高い」からです。
例えば、採用したエンジニアの能力をテストしたいというとき、処理能力の低いPCを与えて、そのエンジニアのスキルを正確に把握できるでしょうか?マラソンランナーに格安シューズを履かせて走らせて、正確な能力が把握できるでしょうか?
いずれも仕事や走ることはできるかもしれませんが、そこから適切な解を出すことは非常に難しくなると思います。
実際に、私がオンライン商談ツール(有料) の営業を行っていたときに、「まずはZOOMやTeamsを使って現場が使えるか試して見たいと思います」という担当者が結構おりました。
※決して、ZOOMやTeamsが悪いとは思ってなく、企業によってはそれらツールで十分できる企業もおります。
そのような企業が、ツール利用後に出した回答は「自社(もしくは業界)ではオンライン商談は難しい」というものが非常に多かったです。
※これだけは自信を持って言えますが、不向きな会社は合っても業界全体で合わないことが殆どありませんでした(もしそうであれば、そのような業界にマーケ予算を割きませんので…)。
無料であれ、有料であれ自社に最適なツールを選ばないと、失敗も成功も「糧にすること」は難しいと思ってください。
5.ツールを利用する現場の人の話を徹底的に聞こう
DX推進や営業企画のような専門のツール選定部署の方とやり取りする際に、たまにあるのが「現場の意見をあまり聞かずツール選定をしている」ことです。
これをしてしまうと…
① 現場の課題に合わないツールを導入してしまう
② 導入したツールを現場営業が使ってくれない という自体が発生しがちです。
3.で記載したように、ツールはものによっては、現場の方の工数が増えることがあります。例えば、今まで顧客管理等を営業各々でやっていた企業がCRM等を導入すると、営業側としては、顧客情報を入力する手間が増えるので、嫌がる営業も結構います。
そうならないためには、そもそもツール導入する意味や目的、最終的に業務が良くなることを現場にも理解してもらう必要があります。そのために、営業責任者や一部営業メンバーをツール導入の選定プロジェクトに参加してもらうというのも一つの手です(味方になってもらう)。
6.まずは概要だけでも専門家や詳しい人に聞いてみよう
ここまで記載しましたが、ツール選定担当者の多く悩みとして「ツールに関する情報をどうやって取得するか」があると思います。
そのような方にオススメな方法は「まずは各ツールが何のために利用されるものなのか概要だけでも詳しい人に聞く」です。
導入企業の担当者には、そもそも各ツール(例:CRMやMA)がどういうものなのかも分からない方も多く、そのような方はどのカテゴリーのツール資料を入手すればいいのかすら分からないかと思います。
各ツールの資料を片っ端から請求して、営業担当から聞くというのも一つの手段なのですが、ツールベンダーから出される情報は、だいたい自社に有利なように作られてますし、営業担当も自社ツールを導入してほしいので、自ずと自社に有利なトークをしてしまう人もいます。
※過去に顧客管理を目的にMAを導入されていた企業様がお会いしたことがありますが、たしかに、そのMAをみたところ、簡単な顧客情報等を入れる項目はあったのですが、当然ながら顧客管理は全くできてませんでした(前提、ベンダーの営業に問題があったと思いますが…)
では、その「詳しい人」とは誰か?と言いますと、ネットや動画サイト等で情報を流している人にSNSやメール等で連絡してみるというのをお勧めしてます。注意していただきたいのが、よくSEOやブランディング目的などで、ベンダー側がコンテンツを配信している場合がありますが、そのような方ではなく、ベンダーではない、フラットに話してくれる人に連絡してください。
私も経験がありますが、著名なマーケターでなければ、意外と返信してくれますし、過去の失敗談なども結構赤裸々に話してくれます。やはり同じ職種や立場の人をほっとけない(役に立ちたい)という人はいるので、複数の方に積極的に連絡してみてください(その他、数千円のコストはかかりますが、時間貸しの副業サービスとかを利用してアプローチする方法もあります)
※ちなみに、私も相談を受けてますので、気になるかたは記事最後に記載してあるSNSにて連絡・フォローください。微力ではありますが頑張ります。
以上です。
今後も「営業DX」「営業組織」「カスタマーサクセス」「デジタルマーケ」等について書いていきますので、少しでも興味もっていただけた方、フォローいただけますと励みになります。
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