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やさしいあなたに|同情より同じ視点を持とう

「共感」の大切さは言い過ぎることはありません。
しかし、交渉ではそれ以上に効果のある方法があります。それが「○○共有」することだったのです!

1.交渉において「共感」よりも強いもの

「相手の気持ちになりましょう」
学校や家庭でよく言われましたね。

こうした「共感性」は素晴らしいことです。
そんな人と一緒にいたいですよね。

しかし、共感をする当の本人は
実は大変なことも多いのです。

2008年、コロンビア大学の
アダム・ガリンスキーは
こんな研究結果を発表しました。

ビジネススクールに通う152名の学生に対し
授業の中でこんなワークを行います。

学生達は、ある取引が紹介されます。

それは、ガソリンスタンドの売却事例で
買い手の出してもいい値が売り手の希望を
下回っていて難航している状態です。

売り手はヨット旅行のため
お金は欲しいものの、旅行後の
生活も心配でした。

他方、ガソリンスタンドの購入後の
管理者も探している買い手は、その役に
売り手を雇うことで合意しています。

さて、ここからが交渉ゲームです。

買い手役の学生は、
次の3つのグループにわかれて
それぞれ50分間の模擬交渉をします。

グループは3つです。

グループA【共感チーム】

彼らは、売り手のガソリンスタンドの主の
心情に共感することを求められました。

売り手は交渉中どんな気持ちか?
ガソリンスタンドを売るとは
人生にどんな意味があるのか?
もし自分が同じ立場ならば、どう思うか?

相手の「心」に入り、
感情的につながろうとしました。

グループB【視点共有チーム】

彼らは、売り手のガソリンスタンドの主の
視点にたち、興味や利益、目的を何かを
理解することが求められました。

相手の「頭の中」に注目し、
同じ立場に立って、視点を共有しました。

グループC【無干渉チーム】

相手のことは一切考えず、
買い手の役割だけを
行うことが求められました。

交渉の成功条件としては、
値段については買主の買取予定価格を
譲歩しないが、その上で
お互い何か新しい追加提案が
1個でも生み出せた状態です。

そして演習あとは、参加者はお互いが
相手の態度に満足したかどうか7段階で
評価をしてもらいました。

さて、結果はどうなったのでしょうか?

満足度においては、案の定、
終始相手に寄り添った
グループAの共感チームでした。

しかし、あくまで
双方の交渉の成功という点では
成功率に次のような差がでました。

プレゼンテーション1

2.相手の視点に立てれば、「第3の案」が見えてくる

「共感」が望ましい態度であることは
実験中にも証明されています。

とはいえ、相手に寄りすぎるあまり
相手を優遇し、自分自身の利益を
犠牲にしてしまった
のではないかと
研究チームは考えています。

本来、交渉は平等なものでです。
WIN-WIN以外の結末はありません。
自分が取りすぎてもいけませんが
譲歩しすぎるのも問題です。

この点、グループB(視点共有)は違います。

あくまで自分の利益を
確保するという
立場は崩していません。

その上で、相手から見た自分と
交渉全体を俯瞰してみることで
偏見をなくし、
自分も相手も思いつかなかった
新しい「第3案」を創造したのです。

共感が、相手の感情や感覚を理解できる力ならば
こうした相手の意図・信念を理解する力を
メンタライズと呼びます。

いかがでしたか?

「共感」自体は、
僕らにとって不可欠なものです。
(研究チームも長期的関係の場合は)
(違う結論になる点を
 (付記していました。)

しかし、それも相手に寄りすぎれば
「同情」や「哀れみ」に変わり
健全なコミュニケーションの妨げになります。

自分を犠牲にしてよい
コミュニケーションは1つもありません。

「どちらかが妥協したり、あわれんだり
するのではなく、その場にない『第3』の
解決策をみつけていく仲間」

相手をそのように考えられれば、
あらゆるコミュニケーションは
意義のあるものになりますよ。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。

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参考文献(P.305,306)

参考論文


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