大津市内電車 京阪石山坂本線
石山坂本線は京阪電鉄の一部です。大津市内の住宅街を巡る電車といえます。一部に道路との併用軌道があり、クルマと並んで走る区間もあります。また、ほぼ全線JRと並行しています。
石山寺から
石山寺は、源氏物語の紫式部ゆかりのお寺ですね。駅からお寺までは数百メートル離れています。すぐ横を瀬田川が流れています。名神高速をくぐると、唐橋前です。瀬田の唐橋で有名なところです。今は、アスファルトの道路橋です。そして、新幹線をくぐります。カーブしながらJRと平行になるような位置関係で京阪石山です。JRと乗り換えができます。駅は地上ではなく、橋でつながっている感じです。
JR石山駅は新快速も停車し滋賀県内でJR3番目に乗車客数を誇る利用客の多い駅です。大津市内では1位ですね。石山を過ぎると勾配を上がりJRを跨ぎます。すぐ横には東レの大きな工場が左側に見えます。
JR線からは見えなくなります。京阪線の方が琵琶湖に近い方を走ります。 JR線とは並行して走っているようですが、京阪線は住宅街をうねうねと走ります。
膳所本町は県内で偏差値トップの膳所高校最寄り駅です。この近辺は、京都にも近く、卒業生の中にはJR線で京都の大学に通う人も多いです。
京阪膳所(ぜぜ)はJR線と乗り換えができます。なお、この駅から最寄りは県立大津高校です。学校の名前が多く出てきますが、学生(特に高校生)の利用が朝夕は多い印象です。
大津中心部近くへ
やがて、近江大橋から伸びてくる県道18号線と並行してくると、びわ湖浜大津駅は近いですね。JR大津駅はやや山寄りで少し高台にある印象です。京阪の駅の方が市街地に近いです。このびわ湖浜大津駅は、京阪の琵琶湖観光の拠点駅といえます。琵琶湖を遊覧する「ミシガン」という船は駅すぐの大津港から出ます。びわ湖浜大津駅は、1面2線に折り返し線を備えた割と小さな駅ですが京都方面からの京津線の終点でもあります。石山坂本線と京津線を僅か1面2線でさばくのは、神業的といえます。
ここから、三井寺付近までは併用軌道となります。道路の路面電車用信号に従って進みます。びわ湖浜大津駅付近は、道路・路面電車が入り乱れダイナミックです。
三井寺は、弁慶餅で有名です。保存がきかないようでその場で召し上がるのがいいと思います。大津市役所前付近は、皇子山陸上競技場、球場などかつてびわ湖毎日マラソンの出発点などにもなった大きな競技場があります。
列車は湖西方面へ
大津市役所前付近は、皇子山陸上競技場、球場などかつてびわ湖毎日マラソンの出発点などにもなった大きな競技場があります。大津京は、JRと乗り換えられる駅です。JRは湖西線で昔、サンダーバードの前身「雷鳥」号の一部が停車駅でもあります。JRは高架駅で京阪線はその下をチョコチョコとくぐるという感じです。近江神宮は百人一首で有名です。京阪電車の車庫もあります。乗務員交代なども行われるようです。南滋賀、滋賀里、と進みますが、地元の地名は「志賀」のようです。
いよいよ終点、坂本へ
湖西道をオーバーパスして穴太、松ノ馬場、坂本比叡山口終点となりますが、この辺りは駅間が長めです。また、住宅も少なめです。坂本比叡山口駅は、JR 比叡山坂本駅とケーブル坂本との中間位にあります。坂本は日吉神社の門前町という感じです。なお、京阪とJRの駅名で坂本と比叡が逆になっています。なお、かつてJRの駅名は「叡山」で京阪は「坂本」でした。なんか、どちらも似た名称に変えたねって感じです。
考察
赤字が続き、経営が苦しいようです。原因は、昨今の高齢少子化に伴う、通勤通学客の減少が大きいのは言うまでもないでしょう。ただ、特有の原因のひとつに京津線が地下化に伴い、京都側を廃線にせざるを得なかったことも大きいかなと思います。
また、平成を通じて滋賀県の人口が右肩上がりであったのにもかかわらずそれに大津市自体が取り残された感が否めない気もします。大津市は求心力のある都市というより京都が近すぎて京都のベッドタウンという要素が強いように感じます。それも、大津市内線は儲からない一因ではないかと。
また、この線は、通学利用者のウエイトが高く少子化の影響が強く受けてしまったようです。
観光面では、びわ湖浜大津駅を中心とする琵琶湖観光は昔から京阪が鉄道関連事業として経営してきました。やはり、京阪本線と完全に分離されてしまったのはイメージ的に痛かった推察されます。
まとめ
・京阪石山坂本線は全線大津市内です。
・沿線には寺社仏閣が多い
・京阪の琵琶湖観光の拠点びわこ浜大津駅が中核となる駅
・JR線とほぼ並行している
・駅間は短く、地域内の足。
・学生利用が多い
・赤字が続き経営が苦しい
是非、みなさま大津観光の際は京阪石山坂本線を利用してみてください。