いいところ いいところ、そう言い続けた彼女とわたしの物語
子育て支援の広場でお仕事しています。
自分よりも20歳若い人とお仕事しています。
今、改めて年齢差を思い返し、驚いています。
いつのまにか同級生と過ごすような氣持ちで
毎日を過ごしていたことに氣づきました。
それほどに彼女との日々が心地良かったと
いうことでしょう。
わたしはこの街で生まれ、この街で育ちました。
別の街に住んだこともありましたが、その後また
この街に住み、子育てをしてきました。
彼女は別の街で生まれ、別の街で育ちました。
仕事をするようになり、この街で暮らしました。
結婚して、そのままこの街で暮らしました。
この街に住み、子育てをしています。
そんな彼女が毎日毎日言うのです。
「○○って、ほんといいところですよね!」
「やっぱり○○って、いいところですよね!」
「今日はどこのスーパーに行こうかなって選べるんですよ!
○○って、ほんといいところですよね!」
「高速のインターも近いし、道がわかりやすいですよね!
やっぱり○○って、いいところですよね!」
「隣の家の人が子どもの声がして嬉しいって
言ってくれるんですよ!
○○って、ほんといいところですよね!」
「あんなすてきなママがいるんですよ!
やっぱり○○って、いいところですよね!」
彼女の手にかかるとわたしたちの暮らす○○は、
幸福度1位の街になるのです。
毎日毎日、一緒にいると口癖ってうつりませんか。
わたしも毎日毎日、言うのです。
「ここには、すてきな人しか来ないね!
やっぱり○○って、いいところだよね!」
「見て!△△ちゃんのママ、こんなに丁寧に
片付けてくれたんだね!
ここには、すてきな人しか来ないね!」
「▽▽ちゃんのパパ、いっしょに歌をうたって
くれてたね!
ここには、すてきな人しか来ないね!」
○○といういいところに暮らし、毎日、すてきな
出会いがある幸せ。
彼女とわたしに沁みつき口癖のようになった
その言葉たちを口にするたび、わたしたちは、
「今日もこのことばで締めちゃたねえ」
と笑いあい過ごしてきました。
そんな彼女との幸せに包まれた日々ももうすぐ
終わりです。
春は出会いと別れの季節です。
あなたと一緒だったから、魔法に包まれたような
温かい毎日を過ごせました。
「あなたが選んでくれた街ですもの!
やっぱり○○って、いいところだよね!」
「あなたが待っている場所ですもの!」
ここには、すてきな人しか来ないよね!」
彼女と離れても彼女から教わった肯定の魔法を
かけ続けたい!
かけ続けよう!!
これがわたしの新しい春への誓いです。
だって、わたしは
とってもすてきなこの街でこの場所で
魔法使いと過ごしてきたのですから・・・