小説は電子書籍で読む?それとも紙の本で読む?それとも文庫本のカバーを外す?
僕は大学を卒業後、古本屋でアルバイトをしていました。大学ではドイツ文学を専攻し、不条理文学のゼミで名ばかりの研究をしていました。
とはいえ、この経歴だけ見たら、本の虫、文学青年の匂いがプンプンする、ロン毛で根暗の男子ですが、その想像の通り、僕はロン毛で根暗の男子でした。バンドマンでもありましたが。
何故就職しなかったのかは追い追い書くとして、それで何故古本屋アルバイトを始めたのかと言えば、本が好きだったからです。
文学青年、古本屋で働く(ベタな設定ですが)
僕が住んでいる福岡県田川市には古本屋は一軒しかありませんでした。最近、その一軒も廃業してしまいましたが、大学卒業後、僕はその地元で唯一の古本屋でアルバイトを始めました。
古本屋ではおもしろい本を物色し放題でした。気になった本を社員価格で購入し、アルバイトをした一年間で家の本棚が質、量ともに充実しました。
谷崎潤一郎、太宰治、芥川龍之介、村上春樹、川上弘美、吉本ばなな、町田康、山田詠美、長嶋有、阿部和重、川上未映子などなど。
文学青年らしく純文学の分野ばかりを読み漁ってました。そのほとんどが文庫本です。
文庫本のカバーを外す派(他の派閥のことは知りません)
僕は文庫本はカバーを外して読みます。その方が文学青年っぽいからです。一方でハードカバーはそのまま読みます。それはカバーを外してもあまり印象が変わらないからです。
くだらない理由ですが、電子書籍で純文学を読むかどうか、という問いに対して、これらの理由は凄く重要だと思ってます。
いわゆるビジネス書は自己啓発や自己研鑽のために読むものであり、その目的は知識や情報のインプットやインストールにあります。読んでいて楽しいビジネス書も多くありますが、基本的に娯楽のためのものではありません。
一方で、純文学をはじめとする小説は、読んでいる時間を楽しむ娯楽です。小説に書かれた物語を通じて自分の人生を豊にしてくれますし、斬新な切り口によって新しい価値観を与えてくれたりもします。
小説が好きな人にとって、小説を読んでいる時間は、とても幸せな時間だと思います。だから、その時間により幸せを感じれるようにセッティングするべきです。
例えば、夜。家の家事を全て終わらせて、明日の準備を終え、良い値段のウイスキーを飲みながら、村上春樹の新作を読む。村上春樹好きには、とても幸せな時間だと思います。
例えば、朝。大事な仕事に向かう通勤電車の中で、村上春樹の新作の続きを読む。その時間は、大事な仕事のプレッシャーを忘れさせてくれる幸せな時間になるかもしれません。
しかし、通勤電車の中では物語に入り込めないかもしれないし、その大事な仕事について、他にやるべきことがあるのであれば、その行為は現実逃避にほかならないと思います。
より幸せになるための選択
幸福を得るためのコンテンツには、より多くの幸福が得られるようセッティングすることで、幸福度が増します。人生の時間は限られているので、同じ時間を使うなら、より幸せを感じた方がいいですよね。
少し話を戻します。古本屋でアルバイトをしている文学青年は、本を読む時、とても幸せでした。
文学の世界に没頭できるようセッティングしていたからです。
文学青年が文学の世界に没頭できるようなセッティング。それは、ロン毛で根暗な感じで、文庫本のカバーを外し、コーヒー又はウイスキーを飲みながら本を読むことでした。(これはあくまで僕の幸せセッティングです)
つまり、結論は、より幸せに読書できる環境に合わせて、電子書籍か紙の本かを選択すれば、後悔しない、ということです。
なので、これを書き終わったら、本棚に向かい、気の赴くままに本を手にとってみようと思います。しかし、読む時間がないので、ペラペラとページをめくり、物語を思い出して、そっと本棚に戻します。
そうなると「有効的に時間を使う方法」的なビジネス書を読んで勉強せなばならないので、Kindle Unlimitedで探し、トイレとか移動中とかに時間を有効的に使って読んでみることとします。