「社員が持ち帰る土産話で休暇明けのオフィスが盛り上がる」
■感想文『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』/著者・山本敏行さん
社内制度であるゴーホーム制度を利用した場合の、会社側のメリットの一つが、社員が持ち帰る土産話で休暇明けのオフィスが盛り上がるなんだそう。この箇所は読んでいて、「よく考えられている制度だな~」って声がもれました笑。
著者は、ECスタジオという会社の代表を務めています。
ECスタジオは、年間1800社の企業変革をサポートした実績のある、リンクアンドモチベーションという経営コンサルティング会社の、社員のやる気に焦点を当てた組織診断において、2年連続で社員満足度日本一に認定された中小企業です。
ゴーホーム制度は、ECスタジオが以前につくった、ランチトーク制度を利用していた社員の会話がもとになった制度です。「仕事ができているのは家族や身の回りの方のおかげだから」と。ランチトーク制度とは、ランチ中に上司と個人面談をする制度のことで、著者が経営する会社で実践されている制度は、上記以外にも本書で紹介されています。「こういうことをしてみよう〜!」が設けられている一方で、会社として『しないこと』が、14カ条の方針として明確に表明されている点も面白かったです。
本書は、著者自身の生い立ちから、徹底的なIT経営を実践するため会社の机に電話がない、ということに始まり。生産性を高めるため、カムタジアスタジオで動画の業務マニュアルを作成していることなど。根底となる理念から具体的なITツールの活用法まで、順を追って掲載されているので読みやすかったです。
個人的には、マズローの欲求5段階説に基づいて、ECスタジオの取り組みを行っていると、著者が自覚している点に一番の驚きを覚えました。
人間は果てしなく欲求を募らせる動物だが、しかし満たされた欲求はもはや欲求ではなくなる――
その根底に、人は能力を十分に発揮できない限り、本当に幸福になることはできないという理論がありますが、「利益ではなく社員第一主義を貫いた」という著者の言葉は、まさにその本質を突いているように感じます。また、巻末に収録されたECスタジオ社員の本音アンケートでは、仕事においての満足度とは何か、という深いテーマの、一つの答えが分かるようで、こちらも興味深かった。
本書の帯には魔法のマネジメントがあると書いてありますが、あるのは魔法ではなく努力とブレイクスルーだと感じました。自分の仕事に活かせる内容から、ぜひ始めてみたいですね。
早い人なら、一時間くらいで読めてしまうと思います。
一日一つの投稿を続けます。それは、文章を書くという、コンテンツメイクの楽しさをnoteが思い出させてくれたから。ありがとう。ライフワークが手につかないくらいnoteのことを考えてしまうので、noteをライフワークにすべく、今後も続けます。読んでいただいて、ありがとうございました。