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冬の心(その9)——遠い記憶。

 そろそろ、このノベライズのまとめのような、レジュメのようなものを締めくくらなければなりません。
 自分を取り巻くすべての人間関係を破綻に追い込んでしまったステファンは、恩師ラショーム先生の隠棲するサン=マルタンの森へと向かう。そこで今回の騒動の顛末をすべて打ち明ける。「自分の感情を完璧に支配しようなんて、傲慢だよ」という恩師の一言に、深く項垂れるステファン。

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