【レシピ】たかぎメシのビリヤニ研究日記 v.03_魅惑の香り花開く、牛ヤニ
基本中の基本、「レシピ通りに作る」を実行しただけでドヤ顔しまくった前回。
お楽しみいただけたでしょうか?
誰かの努力の証を簡単にトレースできるのは、その証の裏にあるであろう何十倍もの労力に申し訳ない気もしますが
まあ本人が公開してるんだからよしとしよう。と思うことにします。
日本人向けのビリヤニってなんだろう
とはいえビリヤニ、まだまだ文献化されるほど研究されていないんですよね。
日本語はもちろん、英語でも専門書的なものって2冊くらいしかなくて
個人のレシピだとだいぶ「XX流」に寄っているような…
前回の鶏×ラムヤニはインド直輸入スパイスのレシピに従いましたので
人によっては辛い、しょっぱい、ホールスパイスがうざったい(これは万国共通の悩み)などなど
いろんな声が聞こえてきそうです。私は好きだけどね。
研究&ローカライズ大好きな我々だからこそ、肉じゃが然り冷やし中華然り、
日本人向けにアレンジされたビリヤニがあってもいいというもの。
今回は日本語で書かれたビリヤニ専門のレシピ書、という意味では
ほぼ唯一無二と言ってもいいであろうこちらを参考に
ビーフビリヤニ(以降牛ヤニ)を作ってみました。
参考図書
こちら、ただの作り方集ではなく、地域や材料の違い、スパイスの特性なども学べて
私のようにスパイスに触れるのも初めて!というような初心者にぴったりです。
それでは本をお持ちの方はp74を開いて。一緒に新しいビリヤニの世界に飛び込みましょう。
牛ヤニのススメ
僕たちは牛が好きだ
インド圏内ではあまり目にしない牛肉ですが、牛肉を禁じるヒンドゥー教圏外となるパキスタン、中東系ではよく食べられるそうです。
日本でも西に行くほど牛肉文化が発展していると聞きますが本当でしょうか?
京都で食べたすき焼き、とろけて美味しかったな。いい肉は甘くて美味い。
まず肉から始めよ
たまたまいいお肉を頂いたので、お肉の脂だけでじっくりと揚げ焼きに。
キッチンいっぱいに幸せな香りが漂う…
ベースの炒め玉ねぎは普遍
この辺りからシナモンスティックを丸々1本ぶち込むことに抵抗がなくなりました。
そして油も躊躇なくたっぷり注いでいます。いいビリヤニはてらてら光るのです。
今回のパウダーミックスはこちらを使用してみました。
相変わらずレシピ通りと言いながら、手抜きできるところは見逃さない女です。(角スパイスを買っても賞味期限までに使い切れる気がしない)
照りっ照りのグレービーが完成
トマト、カレーリーフ、その他パウダースパイスを合わせて(詳細はレシピ本参照)
このグレービーだけでも十分美味しいけれど、今日はあえてビリヤニにしようってんだから大ごとですよ。
アクセントに甘い人参を
この本ではキャロットグラッセ(ステーキの付け合わせにあるような、人参のバター炒め)と一緒に炊き込むレシピが紹介されています。
一瞬「西欧風に偏るんじゃないの?」と思ったけれど、不思議と人参の大地の香りが
牛肉の甘い香りに寄り添うんですな。
ピンと伸びたバスマティ、今日もいい出来栄えだ!
(ちょっと水分含ませすぎたかもと思っているのは内緒)
今回はグレービーとライスを混ぜ合わせてから炊いたため、いつものようにグレービー〜白米の地層はありません。
草原のようにどこまでも続く肉の大地。
エコシステム概要と立役者
牛肉
まごうことなき今回の主役。他のタンパク質にはない脂の甘み、コク、香りは代用不可。
炊き込みご飯という全食材に染み渡る調理法だからこそ肉のポテンシャルが大きく出来栄えを左右するビリヤニだと思います。
躊躇わず高級な肉質を用意することをお勧めします。長時間調理なので部位は気にせず、切り落としやすじ肉でも大丈夫。お肉屋さんのお買い得品が狙い目。
人参×バター
食べるまではあまりピンとこない組み合わせでしたが、
人参が持つ土の香り、根菜類の甘みは今まで試したビリヤニには無いアクセント。
バターでグラッセ(煮込む)したことで、とろけるような仕上がりになったのも好。
思い起こせば和風の炊き込みご飯に人参ってマストアイテムですよね、
今度は鶏ヤニにも入れてみようかな。
2つの一般教養単位を履修して
v.02, 03と基本のビリヤニを作ってきました。
エコシステムもいい組み合わせが見つかりつつあり楽しい一方、
心の奥底から叫びたいことがあります。
祝事のお料理ということもあり、どのレシピも想定人数4人以上が当たり前。
しかも1人前180gのライス、180gのお肉が入る豪華構成であるが故に、
通常よりちょっとアルコール容量の多いくらいの我が胃袋チャンが
立ち向かうには1週間程度かかってしまうのです。
そのため毎回友人を招いて食べて(&残りを持ち帰って)もらうんですが、
このご時世、頻繁に大人数の予定を合わせるのも難しい。
研究の観点からは毎回違うレシピを試したいけれど、
せっかく集まってもらったのに自信の無い出来栄えになったらどうしよう。
うんうん唸っていたところに天啓が訪れました。
1人前のビリヤニを作ればいいじゃない。
グレービー+ライスという基本構成はどんな分量でも変わりません。
骨つき肉ならまだしも、切り身肉であれば出汁や脂の比率はさほど影響がないでしょう。
何より少人数分が作れると証明できれば、
毎度毎度冷凍庫の残容量に怯えることもなければ、
イマイチな課題作を実家に持ち帰り両親に押し付けることもない。(最低)
ということで次回、ソロビリヤニに挑戦します。
乞うご期待。
実験的に有料範囲を設けてみました。というのも、ビリヤニ作りってスパイスやライスなど、細かいお金がいっぱいかかるのです…
300円、スパイス1パック分の援助で、この研究日記を続けさせてください!
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