たかぎメシのビリヤニ研究日記 v.06_秋限定、秋刀魚とかぼすの旬ビリヤニ
今年の秋刀魚は痩せているらしいですね。お恥ずかしい話実家を出て以来、自分で1尾焼くことがなかったので
あまりサイズ感をじっくり考えることがなかったのですが、
久しぶりに鮮魚コーナーの一角で出会ったあの子は、確かに記憶よりも幾分ほっそりしていました。
その背景に思いをやると切ない部分もありますが、届けてくれた思いに感謝して美味しくいただきたいと思います。
いっそのこと、足りない脂分はこちらで勝手に足すことにしましょう。(オイルなりバターなり)
ということで、久々に人も集まったのでパーティー仕様の宅ビリを開催しました。その名もビリパ!
魚のビリヤニは以前秋鮭で作りましたが、焼き魚に向いている魚は香りが強くて一層ビリヤニ向きだなと思いました。
その割に味がしつこくないし、人によってはお肉より好き、という人もいそう。
今回のレシピ
まずはエコシステムをどんと。
市販のビリヤニマサラも使いながら、ビリヤニ大澤で学んだスパイス使いを試すため自分なりの調合をしてみました。
6人が軽く1杯目を回し、後2−3皿残るかな?くらいの出来上がりです。
スパイス
ベーススパイス:SHAN社(パウダースパイスと同タイミングで使用)
テンパリング用ホールスパイス
グリーンカルダモン:6粒(必ず包丁の背で潰す)
クローブ:10粒
クミン:小さじ1パウダースパイス
ターメリック:大さじ1
正直パウダースパイスはSHANで十分だったんだけど、青魚には黄色が合うでしょ!と思ってターメリックで色味づけ。
具材
サラダ油:適量
紫玉ねぎ:3個(全て千切りし、オニオンソテーに)
秋刀魚:3匹
ヨーグルト:200g
バスマティライス:350g(塩分2%で湯取り)
かぼす:3個
調理工程
・オニオンソテーを作る
紫玉ねぎをスライスし、多めのサラダ油で炒める。
揚げるレシピも多い中、愚直にフレンチ技法でも見られるオニオンソテーを作ります。玉ねぎがいい色になるまで、水を加えながら炒め続けるというやつね。
なお、たまたま自宅にあった紫玉ねぎをいつもの玉ねぎの代わりに使ったところ、コクと香りが強調されて大成功でした。
インドでは紫玉ねぎが主流ですし、こっちの方が正解なのかも。
・ホールスパイスをテンパリングする
最近の研究を活かし、潰したカルダモンとクローブ、クミンを丁寧にテンパリングしたら香りが格段に良くなりました。
テンパリングはスパイス全体が油に浸かるように、フライパンを傾けて小さな油のプールを作りながら。
弱火でしばらく煮ると、カルダモンの爽やかな香りが立ってきますので、スパイスだけ早々に引き上げます。
スパイスは焦げると苦味に変わってしまうので、あくまで弱火で香りが出るまで、を厳守。
・テンパリングの残った油で秋刀魚を炒める
(ちょうど友達が来たタイミングで写真撮ってなかった)
香油と化したサラダ油で秋刀魚を両面焼きます。
最後に蒸すので完全に火を通さないと!という意識は不要ですが、生の血合いは生臭さの元になるのでこのままでもまあ食べられるかな、くらいの焼き加減がいいと思います。
焼き上がった秋刀魚は一度取り出し、頭と骨を取り除いて軽く崩します。
・グレービーを作る
(ちょうど友達が来たタイミングで略)
秋刀魚を焼いたフライパンに、ヨーグルト、ホールスパイス、パウダースパイスを加えて沸々と煮込みます。
水分量が足りないなと思ったら少し水を差しても大丈夫。
トマトを入れない分今までのビリヤニより水気が足りませんが、パッキ式だし生煮えの心配はないので、焦げるようなら足しましょう。
・湯取りしたライスを乗せて蒸らす
肉に比べるとグレービーのパンチが弱かったので、今回は塩分2%で茹でてみました。
結果双方がバランスのいい塩気で正解でした。
・カボスを散らして完成
鍋が大きすぎて全然カボスが足りなかったですが…見栄えはともかく、香りはしっかりついた模様。
生の柑橘類は熱に弱いので、仕上げにささっと散らすように。
秋刀魚の青く甘い香りとベストマッチ。通常はレモンジュースを塗したりしますが、カボスの優しい酸味がいかにも和の雰囲気を引き立たせますね。
合わせたいドリンクの話
今回飲み物を持ち寄ってもらったので色々飲み比べてみたのですが、下記あたりは特に合うなと思いました。
ビールや純米大吟醸など、飲み物自体のパワーが強いとぶつかり合ってしまうかも。
スコッチハイボール
ブレンド赤ワイン(初めて飲んだ!)
大吟醸(純米ではない)
先日カレー哲学さん(https://note.com/philosophycurry)とビリヤニについて話した際、
「バスマティライスは米みもあるし、パスタみもパンみも、なんなら蕎麦みもある」
という謎の共通認識を確認しました。
ビリヤニをバスマティライスを核とした香りの集合体とした場合、
既存のインドカレーを合わせるレシピだけではそのポテンシャルを活かしきれない気がするのです。
穀物を主軸とした料理は世界中にあります。
ありがたいことに食いしん坊歴28年の私の脳内には、合わせてみたい各国の料理が次々とリストアップされています。
その組み合わせを試すのに、今からワクワクが止まらないのです。